気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

中高一貫校3年生からの進路選択

中高一貫校(中等教育学校)の3年生は暇だと思います。あなたには受験勉強も就職活動もありません。もちろんこの時期に遊んだり、サークル活動・部活動に励んだりすることは大事ですが、もう1つやっておくべき大事なことがあります。それは、進路を考えることです。なんとなく変なワークをさせられて「あなたは◯◯向き(文系・理系、芸術家・プログラマー建築士など)です」と診断されているかもしれません。でも、それはあなたが選んだ道ではなく、特定の条件に当てはまる人を、統計などをもとに振り分けただけです。しょせん統計ですから、もしかしたら間違っているかもしれません。あなたが自分で選んで進む道を決めることが大事なのではないでしょうか?


大学ってどんなところ?

多くの人は大学に行くと思います。大学は中学校とは違い、自分で考えながら勉強をするところです。音楽でいうロックやポップのように、学部・学科というジャンル分けがあります。入学後に移動することもできなくはないですが、基本的に自分が決めた学問からは動けないと思ってください。でも、数学に図形や方程式や関数があるように、他の学問にもさらにジャンル分け(サブジャンル)があります。どのサブジャンルについて詳しく勉強するかは大学で勉強していくうちに決めていくものです。もちろん、最初から特定の資格や職業を目指して勉強していく場合もあります。でも、大まかなジャンルの中にサブジャンルがあることは覚えておいてください。


やりたいことを決めるための大学もある

一方で、やりたいジャンルを入学してから決める大学もあります。日本でいえば、国際基督教大学(国際キリスト教大学)がその最高峰です。国際基督教大学では、基本の授業はどのジャンルをどれだけ受けてください、という約束はあっても、最終的にどのジャンルのどのサブジャンルを学ぶかは自分次第です。ただし、やりたいジャンルを決めるための時間がある分、そのジャンルについて学べる時間は短くなります。このタイプの大学は、勉強が好きな人向けです。学校の勉強が嫌いでも、本を読むのが好きという人には向いているかもしれません。逆に、自分はお医者さんや弁護士になりたいんだと具体的な目標が決まっている場合は、専門的な知識が必要になるので、このタイプの大学には向きません。


大学を選ばない

やりたいことによっては、大学に向かない場合があります。例えば、音楽大学は音楽を学ぶ場所ですが、学ぶ音楽のジャンルは、クラシックや吹奏楽などです。「ギター」をやりたい場合、使えるギターはクラシックギターだと思います。エレキギターをやりたいという人には音楽大学は向かないはずです。エレキギターはあくまでイマドキの文化であり、基本的に大学で学べるような高尚な(徳の高い、奥が深い)学問ではありません。このように、大学では学べないこともいろいろあります。その場合、専門学校に通うことになるでしょう。じゃあ、大学はどうなるの?大学は卒業しなさいって言われてるのに……と思っている人は、ひとまず安心してください。大学に通いながら専門学校に通うケースもあります。ただし、この場合は、遊びの時間が減るので気をつけて下さい。それに、学費も余計にかかります。裕福な家庭でない場合は、どちらかの選択を迫られるでしょう。

じゃあ、専門学校を諦めて大学に行ったら、そのジャンルや仕事を諦めなければならないのか?そうではありません。大学でも、正しいジャンルを選べば、諦めかけていた内容について学ぶことができます。例えば、メディアの仕組みについて学ぶメディア学や、組織の営み方を学ぶ経営学は音楽やバンドと繋がりやすいと思います。それに、大学ではサークル活動やボランティア活動ができるし、研究グループだって作ることができます。そのままでは実現が難しい夢でも、やり方を工夫すれば、叶えられるかもしれません。

伝統工芸や伝統的漁業のような専門知識や技術は、専門学校でも対処できません。この場合は、弟子入りして就職する必要があります。何も中学卒業後すぐにというわけではないと思います。知識を深めてからの方が効率的に作業ができます。もちろん、早いうちから技術を身につけておくことも大事ですから、家族とよく相談して決めてください。


どう選べばいいの?

ここからは進路の選び方です。進路は、その目で現場を確かめてから決めてください。全く関係ない話ですが、皆さんは旅行などで、「××なところなんだろうなあ」と胸を膨らませて行ったら、想像していた場所と全然違ったという経験はありませんか?大学も同じで、おうちの方に「◯◯大学は××だから入りなさい」と言われるケースも多いと思いますが、おうちの方もイメージでそう語っているのだと思います。実際に、現地に足を運んで、その目で見ないと正確な情報は得られません。夏休みには各地でオープンキャンパスが開催されます。そこでは、受験を希望する人のための説明会や授業が用意されています。その大学や専門学校がどういうところなのかは、オープンキャンパスで確かめましょう。

伝統工芸などであれば、技術者の方に直接連絡を取る必要があると思いますが、基本的に見学するということは同じです。就職して、私のやりたいことじゃなかったと思ってからでは遅いです。高校や大学、専門学校の受験の機会は基本的に1年に1回しかありませんから。

 

結局、何が大事かというと、先生やおうちの方の話ではなく、直接現地に行って自分で情報を手に入れることです。そうすれば、今のうちに自分が何をやりたいか分かるし、何がよりよい選択なのかもわかります。私も大学を決めた最大の決め手は3年生の時に行ったオープンキャンパスでした。皆さんも時間があるうちに様々な大学に行って、自分がやりたいことを探してみてください。