divergent's blog

ブログは報道機関ではなく、一般人の意見です。鵜呑みにはしないでください。(2017/6/23 URLを変更しました。)

スポンサーリンク


劇場版『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』コンテンツの成長と「ファンの質の悪化」との葛藤

終わった女児向けコンテンツから新しい女性向けコンテンツへ

最近、応援上映という言葉を耳にすることが多くなった。観客に鑑賞以外の行動を許した上映の起源の話は置いておくとして、応援上映という用語を使っているのは、『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』だ。だが、版権の都合上か、メディアで、『Pretty Rhythm(プリティーリズム)』に触れることは少ない。

 

女児向けアニメ『プリティーリズム・レインボーライブ』の少年キャラクターにスポットを当てたスピンオフ作品である今作。この作品は、元々は製作陣からファンへの恩返しとして作られた。映画(劇場版『プリパラ みーんなあつまれ!プリズム☆ツアーズ』)を観たり、CDを買ってくれたりしたファンの想いをつなぐため、キンプリが作られたのだ。それに対し、終わったはずのコンテンツをここまでつなげてくれた製作陣への恩返しとして、ファンは映画を観に行った。友達とドリトモチケをパキり、ドリームチームを結成した*1。既存ファンがオピニオンリーダーとなり、ファンの枝葉を広げていった。遂には王様のブランチでミニシアターランキングに登場するようになり、現在まで上映され続ける異例のロングヒットとなった。

 

f:id:damehobbyanimelike-913:20160612000058p:plain

 

 

この作品はたしかに、新たな層を巻き込み、大ヒットを博した。だが、同時に、ファンの質を下げてしまうという問題を副次的に生み出してしまった。言い換えれば、対象層の変更がファンの行動に歪みを生んでいるのだ。

 

 

プリティーリズム大きなお友達の精神を蔑ろにする行為

プリティーリズムが子ども向けアニメだったこともあり、キンプリにおいても「大きなお友達」として不可侵の領域(子どもへ悪影響を与えないこと、害悪・迷惑にならないこと)を守ることができる人も多くいた。しかし、新規層を取り込んだ大人向けコンテンツに変わったことで、マナーの悪い観客や度を超えた行為が目立つようになった。

 

例えば、応援上映におけるキャラへの侮辱や暴言(「ちゃんと働け」など)、一般常識的に映画館への持ち込みが許されない器具の持ち込み(生鮮食品のセロリ*2や長いデッキブラシなど)があった。現在はプリパラ*3の専門店になっているプリズムストーンショップでキンプリのグッズが発売された際は、狭い店にキンプリのファンが押し寄せたようだ。「公式」による販売とはいえ、本来子ども向けのスペースに大人がうじゃうじゃいるのは、ほめられたことではない。一方、応援上映のマナーも、大人として恥ずかしい限りだ。

 

プリティーリズムの本編を蔑ろにする行為

 

女性の方で、私は腐女子なので女の子が活躍するプリリズに興味がないという人もいるようだ。筆者はこれを「即堕ち2コマ」の前触れと見ているが、女子キャラクターの新展開に繋がらないと不満を言う古参ファンや、逆に、無理に勧められることは良心の自由の侵害だと思う新規ファンもいるらしい。そうだとすれば、新規ファンの本編への評価はさらに下がってしまうだろう。原作を観るべきか、観なくてよいか、ファンの間でちょっとした紛争になっていると言ってもよい。

 

もちろん、事実誤認や「にわか」を減らすためには作品をきちんと見てもらうことが一番だ。だが、作品愛を深めるという意味においても、原作を知ることは重要だ。プリズムショーのプの字も知らずに、「意味不明で可笑しい作品」として作品に没頭することは、対象と向き合わず、自分の願望を投射するだけの自己愛にも等しい。どの長期シリーズにも、シリーズ全体は好きだが、あの作品だけは嫌いだという人がいる。別に最終的に好きなのはキンプリだけでよいので、プリティーリズムも全話観ることをお勧めしたい。

 

キンプリの地位を落とす行為

そもそもこの作品を好きになる気が無く、便乗している人がいるのも事実だ。スタッフによる、声優が登壇する予定のないイベントで、転売屋によるチケットの転売があったようだ。他にも、ただ騒ぎたいだけの人が野次馬として映画館を訪れる場合もある。特に応援上映においては、普段言うことのできない言葉を言うことができるという開放感があり、登場人物を知っていれば避けられるはずの失言を悪びれもせず言ってしまう。良心的なファンであっても、間違って言ってしまったということがあるかもしれない。だが、作品の世界観を知ろうとしない人や、ただ騒ぐだけが目当ての人はそうした反省をしないので、永遠に間違いを続けることになるだろう。筆者の率直な意見としては、応援上映でマナーが悪い人がいたなどの書き込みをネットで見ると、心が痛い。

 

 

プリズムショーに打ち込む肯定的な想い、あるいはプリズムスタァのスタァ性をプリズムの煌めきと呼ぶ。ぜひ、新規ファンの皆さんも心にプリズムの煌めきを持ってほしい。

 

 

spinoutspin5.hatenablog.com

*1:前売り券には、5枚綴りのものが2種類あった。製作陣が1700人ほどを想定していたコアなファンに5〜10回観に来てほしいという意味もあったかもしれないが、友達を連れてきてほしいという意味もあった。

ASCII.jp:社長に「1000人が10回観たくなる作品です」と訴えた――『キンプリ』西Pに訊く (1/5)|渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」

映画キンプリを見てください。監督の菱田さんのニコ生での大事なメッセージを書き起こしました

*2:劇中にセロリが苦手な少年が登場するのだが、その関連でセロリの食品サンプルが持ち込まれるようになった。別のキャラクターが好きな花(トレードマーク)に黄色いバラがあり、以前の劇場版で造花が持ち込まれていた。今回はその発展形だと思われる。

*3:テレビ東京系で放送中の女児向けアイドルアニメ。プリティーリズムの源流を継ぐもので、設定の一部はプリティーリズムから受け継いでいる。

スポンサーリンク