divergent's blog

ブログは報道機関ではなく、一般人の意見です。鵜呑みにはしないでください。(2017/6/23 URLを変更しました。)

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『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』LINE LIVE 公式配信から見る可能性と課題

劇場で騒いでもよい*1話題作、早くも無料配信

『KING OF PRISM by Pretty Rhythm』とは

2016年8月23日、LINE LIVEにおいて未だ劇場公開中の映画『劇場版KING OF PRISM by Pretty Rhythm』(通称・キンプリ)の公式配信があった。この映画は女児向けアニメ『プリティーリズム・レインボーライブ』(2013年)の少年キャラクター達が活躍するスピンオフ映画で、「応援上映」と呼ばれる声出し可能な上映形態を本格的に取り入れた作品として注目された。この作品の応援上映は、鑑賞者のスタッフへの感謝やツッコみたくなるような奇想天外なストーリー展開、合いの手を入れることを意識した「間」の取り方などの要因により、成功を収めた。この映画は今年1月に公開されてから、一時は大赤字での公開終了が危ぶまれたものの、ファンの献身によりヒットし、8月現在まで上映が続くロングラン作品となっている。すでに映像ソフトも発売されており、ファンの手元にはすでに、いつでも再生できる環境がある。そんな中、キャラクターソングアルバムの発売を記念し、今回の公式配信が行われた。


LINE LIVEとは

LINE LIVEはLINE社が提供しているスマートフォン向けストリーミング配信サービスである。映画業界の関連では、舞台挨拶や事前プロモーション番組が配信されているようだ。LINE LIVEはスマートフォン向けのサービスで、視聴者はアプリを使って番組を視聴し、「ハート」やコメントを配信者に送ることができる。パソコンでも視聴可能だが、コメントや「ハート」には対応していない。「ハート」はいわゆる「いいね」に当たるもので、ハートボタンを押すたびに、コニーやブラウンなど、おなじみのLINEキャラクターのイラストが浮かび上がる。利用にはLINEアカウントが必要で、コメントを送信した際は発言者のアカウント名が表示される*2。コメントはTwitterとも連携可能だが、Ustreamニコニコ生放送とは違い、ハッシュタグは付加されない。コメントは縦向き表示では配信画面から独立して表示され、横向き表示では配信画面に重なる。コメントの流れ方はLINEと同じく、吹き出しが縦にスクロールする形になる。

 

LINE LIVEの特長

手軽さ・LINEの浸透度

ここからは、キンプリ応援上映にLINE LIVEを使ったことに関する評価をしていく。LINE LIVEには、LINEアカウントがあれば誰でも使えるという手軽さがある。普通、新しいサービスを使い始める時は、何らかの、時に手間のかかる手続きが必要だと思う。しかし、LINE LIVEの場合は、LINEアカウントを利用するので、そこまでの手間がかからない。新しいサービスに疑問を呈する人は必ずいると思うが、LINE LIVEというサービス名は否応無しにLINEを想起させる。LINEのサービスなら使ってみたいと思わせるのだ。もちろん、キンプリの対象層がパソコンを持っていないかもしれない若い女性であることも関係している。スマートフォンだけあれば手軽に観られるLINE LIVEは、丁度いいサービスだったと言える。結果的に、Avex PicturesとLINE社はキンプリが好きな人に手間をかけさせずにサービスを使わせることができた。

ちなみに、前述の通り、LINE LIVEはパソコンからもLINEアカウントを使わずに視聴ができる。コメント機能こそ使えないが、スマートフォンからTwitterでコメントを呟いていた人もいるようだ。

 

小さな画面という課題

一方で、LINE LIVEは、映画の応援上映を配信するには不便であった。そもそも、映画というものは大画面で観る前提で作られたもので、スマートフォンという小さな画面には向かない。今回は映画の配信中にコメント入力をしてもらうという使い方をしたが、これは画面から注意を逸らすことにつながる。コメント入力時には、当然、画面の3分の1を占めるソフトウェアキーボードに注目がいくはずで、映像を見てもらうという目的にそぐわないのだ。実際の応援上映では、登場人物が何かをするたびに合いの手が入るので、終始ソフトウェアキーボードに注意が注がれることになる。これでは、ただのコメント入力大会になってしまう。百歩譲って、たとえ小さな画面でも映画を見るのは楽しいとしても、LINE LIVEで映画を見るのであれば、コメントは最小限になるだろう。


それから、コメントがほとんど読めなかった。速いときは吹き出しが滝のように流れるので、ニコ生のようにコメントを楽しめない。ニコ生は横スクロールで画面上にランダムで表示されるが、LINE LIVEでは左上から左下にコメントが流れて書き換えられていく。もちろんUstreamやツイキャスもコメントが縦に流れるが、あれらは生放送の配信番組に対するコメントであって、アニメや映画の実況とは性質が異なる。もちろん、ニコ生と同じようにやれとは言わないが、何らかの改善は必要だと思う。

 


LINE LIVEは、手軽で躊躇なく使える一方、コメントをたくさん入力する必要のある応援上映という形式には不適だった。応援上映の醍醐味は会場との一体感である。今後ネット応援上映を実施する場合は、そうした一体感を感じられるメディアの利用が求められる。

*1:騒いでもよいのは、応援上映と題されている上映回のみ。

*2:LINEのメッセージアプリとは別に設定できるようだ。

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