気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。(2017/7/31 一部画像の出典へのリンクが誤っておりました。現在は修正済みです。)

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多様性対応の入浴施設についてテキトーに考えてみる

ぼくのかんがえたさいきょうのにゅうよくしせつ

入浴施設の現状

日本人は風呂を愛する。幼い頃から風呂に入るよう教育を受け、学校行事では確実に大浴場での入浴を経験する。では、大きな風呂が好きかというと、そういうわけではないと思う。他人に裸体を晒すことに不快感を覚える人もいれば、性別で分かれていることで困る人もいる。現代で言えば、トランスジェンダー性同一性障害ホルモン剤を服用している人、人前で裸体を晒す文化がない外国人観光客、あるいは小さい子どもや高齢者などで入浴に異性の協力者の助けがいる人などがいる。


そういった人々に風呂に親しんでもらうためには、多様性に配慮した新しい風呂の形が必要になるだろう。この記事は、あくまで子どもの落書きであり(当方、成人です)、これをやれというわけではない。意見が過激な部分もあると思うが、ぼくのかんがえたさいきょうのにゅうよくしせつというだけである。

 

 

 

水着を着る混浴施設へ

裸の付き合いをなくす

風呂から裸の付き合いをなくそう。「裸じゃ嫌だ」という人はいても、「裸じゃなきゃ嫌だ」という人はあまりいないだろう。これまでの問題は、裸の付き合いであるがために、生まれつきの性が大きく影響していたことと、裸の付き合いができない人が入りづらかったことだ。


にもかかわらず、身体が布1枚(2枚)で包まれているプールや海は「混浴」だ。プールや海水浴場では、水着という免罪布(めんざいふ)があるおかげで、異性同士が服を着ない状態で触れ合うことができる。実際、裸の付き合いをしない欧米の温泉では、水着の着用が求められるらしい。つまり、水着着用にすることで、男女別にする必要をなくし、性別で分かれていたために不利益を被る人を守ることができる*1

 

プールにあって温泉にないもの

ただし、プールが「混浴」なのは、監視員がいるからできることだ。入浴施設はプールと違い、山奥や地方にあるものも多い。こうした場所で監視の目を設けることは容易くない。それに、風呂はリラックスのための場所でもある。風呂に監視を設けることは風呂の本質を変えることになりそうだ。


そして、プールと比較したとき、気になるのは衛生面である。実は、入浴施設の衛生管理基準はすでに法制化されており、施設側が違反しない限り、問題はなさそうだ*2。とはいえ、精神衛生となれば話は別で、異性と同じ風呂に入ることを好まない人もいる。それは「生理的に受け付けない」場合もあるが、性犯罪のサバイバーにとってはもっと深刻な問題である。こうして考えてみると、混浴ではない選択肢は必要である。

 

規模によっては個別の浴室も完備

そこで、個別の浴室も設置すべきだ。例えば、トランスジェンダー性同一性障害の界隈の話でたまにあるのが、理解者と一緒に「混浴」したという話だ。貸切の家族風呂であれば、差別や偏見の目に晒されずに入浴することができる。特に、ホルモン服用中の場合は肉体の性別が曖昧になることもあり、男湯にも女湯にも入れない状況が発生する。こうした状況下で、友人たちは温泉に行ったけれど自分だけお留守番という状況が嫌なのであれば、そういった選択肢も用意されるべきだと思う。


ところが、これには大きな問題がある。実は、異性の小さな子どもを除く混浴は貸切の家族風呂であっても、厚生労働省によって禁止されている。混浴ができる入浴施設というのは、各自治体が例外を設けているに過ぎないのだ。家族風呂を利用するともちろん値は張るわけで、非常に選びづらいオプションになっている。大勢のいる風呂に入りたくない人、他人に肌を晒したくない人の選択肢としても有効だとは思うが、利用のハードルが高いというのが現状だ。


もちろん、これはぼくのかんがえたさいきょうのにゅうよくしせつなので、今すぐやれといっているわけではない。だが、個室が手に届く距離にある、あるいは全て個室型の入浴施設があってもよいのではないかという話だ。

 

「脱衣所」の個室化

入浴施設の各設備を多様性に配慮した形にすることを考えよう。まず、水着を着ることになるのだから、脱衣所更衣室はプールと同じ仕様になる。


ここで、幼少期を思い出してほしい。幼い頃、夏休みに異性の親とプールに行った際、一人で着替えることになったことはないだろうか? あるいは、異性の親と同じ更衣室で、周囲の目に晒されながら着替えた記憶がある人もいるかもしれない。幼い私がコインロッカーに荷物を入れられる確信が母になかったのか、着替えをプールサイドに持ち込んだ覚えもある。


このような状況を考慮しつつ、周囲に裸を晒す形で着替えるようにしたり、異性の着替えを手伝えない状況にしたりはしない。新たな更衣室の形を考えよう。

 

男・女・男女共用更衣室

まず、現状通り、男女の区切りは残しつつ、第三の選択肢を設けることを考えよう。この場合の問題は、トランスジェンダーがどの更衣室を使うかである。ジェンダー通りの更衣室を使うと、差別と偏見の目に晒されるか、警察に通報される。このような理由から、男女の更衣室の中にも個別ブースを作ったほうがいいだろう。


もう一つの問題は、第三の選択肢を使う人が多すぎることだ。この場合の第三の選択肢は、多目的トイレの更衣室版にあたる個室更衣室を想定する。トランスジェンダーの一部やXジェンダーも男女共用更衣室を使いたいわけだが、それを使いたいのは異性の子どもを連れている親も一緒だ。では、カテゴリー(属性)ごとに細分化すればいいかというと、そういうわけではない。細分化しすぎると、マイノリティーのプライバシーに関わるからだ。代わりに数を多くして対応するのも手だろう。

 

完全個室化

更衣室を完全に個室化することを考えよう。ロッカーと洗面台だけ別に設けて、アパレルショップの試着室のようにする。この場合、誰もが人目に触れずに着替えることができるが、同時に着替えられる人数が制限される。それから、銭湯や合宿所といった小さな脱衣所はこのような部屋に改造することが困難だと思われる。

 

ジェンダー中立の個室

これをジェンダー分け隔てない更衣室にする場合は、セキュリティやモラルに関する課題を解決していく必要があるだろう。まず、個室に入った女性を狙った犯罪(盗撮や性犯罪など)を防がなければならない。誰でも使えるということは、悪意ある者も使えるということだ。次に、性犯罪でなくとも、個室で行為に及ぶ人がいるかもしれない。風呂は衛生に関わる場所であり、そうした行為は許されない。これらの問題を防ぐには、監視の目を強くする必要がありそうだ。


最後に、入浴前後にやりたいことができなくなるという問題も指摘しておこう。保湿クリームや薬を塗るぐらいであれば、個室でもできそうだ。しかし、洗面台がパブリックスペースになってしまうため、化粧品を使ったり、ムダ毛を処理したりすることは難しくなる。

 

シャワールーム

我々が風呂に入るのは身体を清めるためなので、身体を洗う設備は必須だ。ただし、それは浴場の外になる。つまり、シャワーを浴びるための部屋は別に設け、清潔さを担保する。シャワー室の区分けについては、更衣室と同じにするが、個室になるので周囲に素裸を晒すことはない。風呂椅子というものが公衆浴場から消えることになるが、家庭にはあるので大丈夫だ。多分。


このときの手順は、シャワー室までは水着で行き、そこで一旦水着を脱いでシャワーを浴びるというのが現実的だと思われる。少々手間がかかってしまうが、自宅に風呂がない人以外は毎日通うわけではない。水の無駄遣いに関しては、これまでもそうしてきたわけだから、心配する必要はないだろう。

 

文化の継承

目に見える部分をダイバーシティに配慮した形にしたとしても、日本的な裸の付き合いの文化の継承は必要だ。伝統的な温泉を残していくことは、一定程度認めるべきだろう。その場合でも、可能な限り多様性に配慮をする必要がある。温泉に入るためにはるばる海外から来たのに、事情によって入れなかったとなれば、とても残念だ。場合によっては訴訟沙汰だ。


温泉・銭湯愛好家にとって残念なことかもしれないが、時代の要請上、伝統を継承していく堅い決意のある風呂以外は生まれ変わってしまうだろう。そうでなければ、裸の付き合いが野蛮な文化として知れ渡ることとなるかもしれない。

 

多様性を取り込む

日本の温泉文化を多様性に対応させていくことは骨が折れる。風呂の場合はカテゴライズされたマイノリティだけでなく、私は◯◯したくないという個人的だが集合的な考えにも配慮しなければならない。入れ墨のように周りにも配慮が必要な事情を抱えた人もいれば、怪我や身体障害が理由で入浴したくないという人もいるだろう。そういう人たちも取り込んでいければ嬉しい。


繰り返すが、これはぼくのかんがえたさいきょうのにゅうよくしせつであって、これをやれというわけではない。

*1:入浴施設専用の「湯浴み着」と呼ばれるものもあるようだが、水着の方が用意しやすそうだ。

*2:公衆浴場法

公衆浴場における衛生等管理要領等の改正について

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