気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。(2017/7/31 一部画像の出典へのリンクが誤っておりました。現在は修正済みです。)

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芸能人を馴れ馴れしく侮辱する? SNSの時代に思うこと

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Photo via pixabay

 

違和感のある距離感

「私なんてブス」
「俺はデブ芸人」

 

こういう売り方をする芸能人もいる。あるいはバラエティ番組の「イジリ」において、芸能人が他の人とは違う価値観を持っていることが露呈することもある。昔は基本的にこれがテレビの中だけで完結していて、テレビの内容が視聴者を取り巻く人々へののいじめに繋がったりもした。しかし、SNSが発達したり、地下アイドル・アイドル声優2.5次元ブームなどで芸能人が増えたりした現代、芸能人自身にもそれが跳ね返ってきている。


つまり、芸能人に馴れ馴れしく、相手をバカにするような、あるいは相手を威圧するような返信を送っている(もしくは書き込みをしている)人が一定数いるのだ。これは友達感覚ではない。友達にそんな発言をしたら、普通は人間関係が崩壊するからだ。芸能人の場合は、知らない人から一方的にそのような発言がある。繋がっていない赤の他人だからこそ言えることばかりを言っているのだ。

 

 

前提:SNSは発言のデータベース

SNSは日常会話や井戸端会議とは以下の点で違う。すなわち、発言が保存され、すべての人に共有されるという点だ。だから、たとえ芸能人への返信でなくても発言は届いてしまうし*1、名前を伏せたつもりでも、誰かに補足されて共有されてしまう場合がある。道端での噂話のように、発信者やその発言内容がうやむやになることはない。読まれない前提で書き込んでいる人は、いずれ痛い目を見るだろう。

 

前提:芸能人は赤の他人

芸能人にいかにも馴れ馴れしく書き込む行為には違和感がある。なぜなら、芸能人は赤の他人だからだ。あまり親交のあまりない知り合いであっても、飲み会で話すなり、同じ組織に所属するなりしているはずだ。だが、芸能人はあなたの同じ組織に所属するでもなく、サイン会・握手会などのイベントで数秒言葉を交わす程度であろう。なのにもかかわらず、親しい友人にしか、いや、むしろ親しい友人にすら言えないことを言っている人もいる。芸能人が赤の他人であることを忘れている人も多いのだ。


以上のことを踏まえ、SNSで芸能人に失礼な発言をすることが問題であることを指摘したい。個別の事案をあげながら、どこが問題なのか書いていく。

 

 

欠点を笑い飛ばすことと嘲笑すること

お笑い芸人や地下アイドルなどで、自分の短所を自虐するなどして、チャームポイントに変えている人がいる。一方で、それを勘違いして他人の短所を指摘してバカにしている人も少なくない。


この2つのことは明らかに異なる。例えば、「私なんてどうせブサイクで結婚できないですよ」と言う人と「お前はブサイクだから結婚できない」と言う人には、評価の視点において決定的な差異がある。つまり、自分を低く評価する人は謙遜しているが、他人の人となりを低く評価する人は謙遜していない。むしろ、他人が傷つくことがわからないぐらい傲慢だ。


もちろん、自分自身を悪く言うことが許せないという人がいることは認める。だが、それが原因でその人を叩くとしたら、本末転倒だ。そうなのであれば、あなたには相手に自信を持たせるような発言をしてほしい。

 

芸能人へのセクハラ発言

セクシー女優などならともかく、そういった業種でない芸能人への性的発言も絶えない。中にはスタッフとの性的関係を疑う発言などもあったりして、芸能人側が訴えれば勝てるのではないかと言える発言も散見される。こうした発言はやましい発言であるため、本来、他人であっても言ってはいけないはずだ。せめて、エゴサ*2できない形で発言するか、心の中で留めてほしい。

 

仕事での失敗や業績不振に関する発言

誰にだって失敗はあるわけだし、出演を委託されている芸能人にとっては出演作の売り上げが振るわないということもありうる。それについて、面白がるようなリプライ(返信)やエアリプ*3をする人がいるのだ。

 

出演者に対する叩き行為

他の記事*4でも指摘したが、エンタメ業界、ましてや芸能界の構造なんて素人にはわからない。それを憶測だけで語ることは、罪のない人に罪をなすりつけることにつながる。現に俳優が初々しくても成功する作品はあるわけだし、芸歴の浅いシンデレラガールが出演した作品がたまたまヒット作になる場合もある。同様に、売り上げが振るわないことも出演者たちの罪とは限らない。本人が自虐しない限り、出演作の売り上げに関する嘲笑はやめたほうがいい。

 

嘲笑される失敗談

同様に本人の失敗談も笑いすぎてはいけない。失敗談を公開する目的は笑って許すことにあると考える。芸能人の側もあえて失敗談を公表することで、常人離れしていない親しみやすさをアピールしたいのだろう。私たちは失敗談を受け取るとき、「◯◯では優れているけれど、××は苦手」というようにチャームポイントとして捉えるべきだ(上記と同様)。そうした芸能人のエピソードに関する書き込みを失敗過剰にしてしまうと、単にその人をバカにしているだけになってしまう。ファンならば、よい部分を褒めることを優先すべきである。


現在、とある2.5次元舞台への出演が決定した俳優に関して、失敗談が拡散されている。これに関しても「失敗ばかりする人」という捉え方ではなく、「◯◯では優れているけれど、××は苦手な人」として捉えるべきだ。

 

「どうせ訴えられない」とは思わないこと

このように、他人である芸能人に失礼な発言をしているケースはいろいろある。そうした発言が名誉毀損罪やストーカー規制法違反に問われる可能性は否定できない。ただし、名誉毀損に関しては社会全体への利益が認められる批判であれば、罪に問われないケースもあるようだ*5。しかし、明らかに個人的な感情であれば、罪に問われないとは言い切れない。SNSの拡散力を鑑みて民事の賠償額の水準も高騰しているようで*6、投稿者は一瞬の優越感と引き換えに大金を失うかもしれない。だから、我々はインターネットが公共空間であるということを十分認識すべきだ。

*1:現実で噂をするときは「絶対に秘密にしておいてね」と言っていれば、その人にはわからないかもしれない。でも、SNS上では、秘密の発言をしたつもりでも、共有対象を制限していない限り誰にでも見えてしまう。

*2:エゴサーチ。自分のことについて調べること。転じて、自分の興味のあることについて調べること。今回の用法では前者の意味。

*3:エア・リプライ。返信先を示さずに相手のことに言及すること。

*4:製作現場というブラックボックス 知ったかぶる一般人 - ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

*5:エド・はるみが誹謗中傷に対して「法的措置」 弁護士に聞く、一般人が“名誉毀損”で訴えられる可能性|ウートピ

*6:溝上法律特許事務所<大阪>「SNSにおける名誉毀損」:今後多くなると思われる法的紛争類型[1]

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