気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

なぜ大学生にもなってサークルに入らねばならぬのだ?

「大学生に遊びなんて必要か?」に対する答え

サークルに関する私の体験

勧誘のビラをいつも捨てていた私

私が大学に入学したての頃、ビラを渡してくる上級生を全力で振り切り、メルボ*1に入ったビラを全力で捨てた。

 

「大学は勉強する場所。遊んではいけない。」

 

本気でそう信じていた。

ICUは勉強をするための大学で、東大や早稲田や慶応みたいに既得権益もなければ、馬鹿騒ぎをする連中もいないと思っていた。

 

でも、現実は違う。

既得権益と思える部分もあったし、馬鹿騒ぎもあった。

それでも、私はサークルに入ってしまった。

 

セクメ*2が私の趣味に関わるサークルに入っていた。

特撮アクションドラマに関係するサークルがICUにあり、彼女たちはその一員になっていた。

 

どんなものだろうと見物しに行ったら、いつの間にかサークルに入っていた。

そしていつの間にか、私にとって、なくてはならないコミュニティになっていた。

 

遊ぶのは悪い子か?

なぜ入ってしまったかを説明するには、なぜサークルを嫌悪していたのかを説明した方が早いだろう。

 

私は、中学の頃から遊んでふざけて先生から怒られる人達を見下していた。

大学のサークルで飲みまくっているという親戚にも呆れていたし、なぜ表向きに自分の悪い部分をさらけ出すんだろうと思っていた。

 

世間に見せるのは、デキる良い子の自分だけでいいのに……

でも、高校を卒業すると、周りの不良どもは、GMARCH以上の大学に合格していた。

 

私は、浪人した。

学校で真面目に勉強していたのに、何が違うのだろうと思っていた。

結局、学校と家を往復し、隠れて遊ぶという日々は高校、浪人を経て、大学入学後も延々と続いた。

 

悪いことをしている人が勝ち組になって、悪いことをしていない自分が負け組になっていることに納得がいかなかったのかもしれない。

 

言い換えれば、勉強をせずサークルで遊んでいる人を許せなかったのかもしれない。

 

遊び人は遊ぶだけではない

でも、実際にサークルの人と楽しく話しているうちに、いつの間にかサークルに入っていた。

じゃあ、サークルに入っている人は遊び尽くしの堕落した生活を送っているのか?


いや、違う。

遊んでいる人は、遊びながらも遊びと同じぐらい熱心に勉強しているのだ。

 

秋学期の初頭、サークルのメンバーや、周りの別のサークルに所属しているセクメから「ジェネード*3でAとれなかった」という悔しい声が聞こえてきて驚愕した覚えがある*4

あんなに遊んでいて、Bがとれたのかということに対しての驚愕だ。

その時、私はELAではCだらけだった。

でも、遊びながら、バイトというルール違反*5までしていた人がAをとっている事実には納得できなかった。

 

外に出ていくことの大切さ

この不条理に対して私が4年間で出した答えは、「ダメな自分を隠しているからいつまでたっても成長しない」だった。

いろいろなリスクに挑戦していくからこそ「デキる自分」が出来上がる。

最初からリスクを避けていては、何にもできない。

 

実際、大学4年間を生きてこられたのはサークルの仲間がいたおかげだ。

ICUの2年以降はサークルの仲間がいないと絶対に辛いはず。

 

ここまでふわふわした話をしてきたが、ここからが本題。

 

サークルに対する誤解

サークルを嫌う人がサークルに対して抱くであろう想いをまとめてみる。

 

性交渉の場?

すべてのサークルがそうではない。

真面目にテニスをやっているサークルだってある。

 

それに、ICUに関して言えば、女性が多いし、性交渉を強要するような男性は少ないはずだ。

そもそも、肉体と精神の性別が一致しない人や性別を気にしない人、同性を好きな人、性交渉を好まない人などいろいろな人がいる。

(どちらかといえば、スイーツタイムの方が多いサークルも……?)

 

遊び尽くし?

遊ぶことも重要だが、サークルのメンバーで一緒に授業をとったり、協力して課題をやったりしている場面はよく見る。

もちろん平等性の観点から、多くの場合、グループワークではバラされる。

 

でも、図書館のグループワークスペースなどで一緒にレポートをやっているサークルは結構ある。

それに、サークルの中には、慈善活動や研究をしているサークルもあり、一概にサークルは遊びとは言えない。

 

「コミュ障」には無理?

あなたが「コミュ障」だと思っているものは、必ずしも医療だけで治るものではない。

誰かと交流することも大事だ。

 

ICUの場合は、気に入らない人を受け入れないとか、喋るのが苦手な人を排除するといったことはないと信じている。

学生宣誓にサインしたのだから。

 

サークルの利点

大事な情報源

セクションだけでは、情報源は足りない。

 

サークルの先輩がいれば、大学生活であなたに降りかかる不条理の正体もわかるかもしれない。

 

例えば、ある授業が難しくてついていけずに悩んでいたら、その授業のメジャー(学科)の先輩が、担当教授の授業が全般的にすごく難しいということを教えてくれた。

私がダメだったわけじゃないと思えた。

 

ストレスのはけ口

課題やバイトで疲れた時にサークルの仲間がいることは大きな助けになると思う。

 

特に、2年以降はセクメと疎遠になりがち*6なので、サークルの仲間は大事だ。


飲み会はあるが、大人の飲み物を無理に飲ませようという風潮はほとんどない。

最近のお店はきちんと身分証の確認をしてくれる。

 

力が身につく

サークルで役割を与えられること、あるいはサークルに参加していること自体があなたの力になるはずだ。

 

渉外などの経験は確実に社会で役に立つし、体育会系サークルでプレイしていた経験は社会で評価される。

実力がつけば、裁量権もどんどん増していくし、自己実現がしやすくなる。

 

サークルの難点

費用がかかる

もちろん、サークルに参加する以上、部費や装備などにお金を払う必要がある。

兼部すれば、それなりにお金がかかる。

 

すべてのサークルや部に部室が与えられるわけではないので、場合によっては備品などを毎回持ち帰る必要がある。

それもある意味でのコストだ。

 

新たなストレスになる可能性がある

もう一つの問題は、新たなストレスになる可能性もあるということだ。

サークルとクラスの大きな違いは、先輩やOBがいるかいないかだ。

 

たしかに先輩はいろいろな局面で頼りになるが、一方で、活動の支障になることもある。

筆者の周りでは、OBとの確執で精神的に追い込まれたという人もいるので、侮れない。

 

サークルのせいで忙しくなる

サークルのせいで物理的な負担が増える場合がある。

 

つまり、サークルの事務を一手に担ってしまうと、肉体的にも精神的にも疲れてしまうということだ。

もちろん、繁忙期(忙しくなる時期のこと)もある。

繁忙期には、幹部じゃない部員も忙しくなる。

 

サークルのせいで授業が受けられないという趣味と仕事の逆転現象を起こす場合もあるので、できない時はできないときっぱり言ったほうがよい。

 

サークルに入ることをいいことと捉えるか、悪いことと捉えるかは、あなた次第だ。

でも、4年生になってからサークルに入って活躍したい、成長したいと思ってももう遅いということは肝に銘じてほしい。

*1:メールボックスの略。ICUの全学生に与えられたポスト。

*2:セクションメイトの略。セクションはリベラルアーツ英語プログラム(ELA)のクラスのこと。

*3:一般教育科目。専攻にする人を対象としない、一般向けの科目。

*4:今だから言うが、ジェネードは人文・社会・自然科学・J開講・E開講にかかわらず、Aをとるべき。

*5:1年1学期はバイト禁止。

*6:もちろん以前のブログのタイトルにある通り、何年経ってもセクコンをするセクションはある。でも、だんだん疎遠になっていくのは避けられない。