Pokémon GOがもたらす様々な効果
Pokémon GO(ポケモンGO)は今や社会現象になっている。筆者も早速プレイしたが、このゲームは期待以上の出来だった。携帯用ゲーム機の「ポケットモンスター」シリーズとは本質的に違う。現実世界にポケモンが侵入することで、あらゆる効果を生みそうだ。ポケモンGOをプレイするためだけに旅行をする人がいるし、炎天下でポケモンGOをプレイすれば汗をかくし、全国のカビゴンが健康になる。一方で、歩きスマホによる事故、非プレイヤーとのトラブル、ネットと現実世界を交差するストーカー行為の増加など、負の効果も想定される。でも、だからこそポケモンGOは面白いのだと思う。この記事では、ポケモンGOの面白いと思った点や問題点を挙げていく。
面白い点
プレイしている人が一発でわかる
周りにいる人がプレイしていることは一発で見抜けた。駅前や公園などでその場に似つかわしくないオーラを発している人、恥じらいを感じている人、スマートフォンを手にしながら友達と話している人。こういった人がポケモンGOのプレイヤーであることは、根拠がなくとも察することができる。あの人はポケモントレーナーだなとわかるので、新たな出会いがあることにもなんとなく頷けた。
自分の住んでいる街の地理がわかる
ポケモンGOでは、地図上にポケストップという地点がある。ポケストップをスワイプすると、モンスターボールやタマゴなどのアイテムが一瞬でもらえる。ポケストップは、日本では寺社や記念碑(案内板も含む)などである。つまり、そこら中にあるもので、それ自体の価値を求めて長く居座るような代物ではない。大きな寺などになると、いろいろな建造物があるので変わるかもしれない。たくさんポケストップがあると、たくさんのアイテムが手に入る*1ためだ。こうした建物や記念碑を巡ることで、自分の住んでいる街の地理や歴史が手に取るようにわかる。特に歴史や文化における有名人を輩出した地には確実にポケストップがあり、(ポケモンのためだけに)訪れる価値がありそうだ。これが、ポケモンGOが地域活性化につながる所以だ。
ポケモントレーナーが疑似体験できる
携帯用ゲーム機とは違う世界が、全世界のポケモントレーナーを待っている。自分の足で歩き、ポケモンを見つけ、ゲットする。これは、指でボタンを押して操作するだけのゲームとは全く違うものだ。モンスターボールも、一定の確率で捕まるのではなく、きちんと当てなければ捕まらない。自分の足で歩かないと、強いポケモンには出会えない。ポケモンの世界がより現実世界に近づいているのだ。今後は、ポケモンの生活を再現してもらいたいものだ。そうすれば、サトシのように、ロケット団から野生のポケモンを守って、仲間にすることができるのに……。
注意点
ポケモンGOは運動である
既にダイエット効果があると指摘されているが、ポケモンGOはまさに運動である。特に女性は普段から運動に適さない靴を履くことが多い。男性も、夏なのでサンダルを履く機会が多く、会社員であれば革靴を履いているはずだ。だが、靴は運動靴にしたほうがいい。さらに、今は夏なので、水分補給・塩分補給が必須だ。ポケストップを探す前に、ミニストップなどのコンビニを見つけて、飲み物を買おう。(大きな公園などでポケモンを探す場合、近くに売店やコンビニがないかもしれないので、軽く食べられるチョコレートやおにぎりなどを買ってもいいと思う。) もうひとつ注意したいのは、ポケモンGOが万歩計ではないことだ。自宅内で歩いてみたところ、アバターはほとんど動かなかった。GPSを使ったサービスなので、自分の足で、移動することが必要のようだ。
ポケモンGOは現実である
ポケモンGOは現実世界で行われるゲームである。現実世界ということは、周りには人や車がいて、道路には障害物や行き止まりがある。それを意識せずにプレイするとトラブルになるだろう。プレイした実感としては、最初は公衆の面前でポケモンをプレイすることが恥ずかしいだけだったが、途中から周りに迷惑をかけていないかが心配になった。まず、ポケモンを捕まえる際、スマートフォンを道路の正面に向ける必要がある。そうすれば、進行方向にいる人にカメラを向けることになり、非常に迷惑だ*2。私の場合、あえて行き止まりを使うことでうまくポケモンを捕まえることができた。それから、ゲームに夢中になって、普段は悪徳とされている歩きスマホを平気でやっている人がいるので、注意してほしい。
ポケモンGOはネットとリンクしている
ポケモンGOは、インターネットと現実を連携させているサービスだ。つまり、インターネットに安易にポケモンGOのプレイ状況などを書き込んでしまうと、特定されてしまう恐れがある。既出の注意事項にハンドルネームを本名やSNS上のハンドルネームにしないというものがあるが、これは尤もである。まず、現実空間とはいえ、路上で出会った知らない人に自分のデータを覗かれてしまう可能性がある。また、名前を知られることでストーカーの機運が高まってしまう。それに加え、SNS上のハンドルネームにすれば、その人がどこで活動しているかが明らかになり、本人特定につながる。
ちなみに、すでにプレイ画面をスクリーンショットにしてネットに投稿している人がいるが、◯◯社の社員など、自分の立場を公にしている人以外は勧められない。地図の地形や景色が画面に表れるので、頑張ればどこにいたか特定できてしまうのだ。旅行に行った時にプレイした画像を事後に上げるのであれば問題ないだろうが、普段家の周りでプレイしたものをネットに投稿すると、自宅の特定につながる恐れがある。
リスクを認識してプレイを
楽しいものには必ずリスクがある。サーフィンだって、キャンプだって、怪我や死の危険と隣り合わせだ。でも、楽しみたいのであれば、そうしたリスクを認識し、できるだけリスクを避けるよう努力すべきだ。周りの人が危険なプレイをしていたら、すぐに注意し、やめさせる。そういう文化が作られることを切に望む。こうした場面では、集団の和を乱さないことよりも、誰かが死んだり、ストーカー被害にあったりしないことの方が絶対に重要だ。みんなが楽しくプレイできる、そんなゲームが一番だと思う。