「あなたは自分の裸の写真を送信しましたね。児童ポルノ禁止法違反で逮捕します。」
毎日新聞(2016年8月19日付)の報道によれば、児童ポルノ被害のうち、自分の裸を撮影してしまう被害が4割を占めているという。
自業自得だというヤジが飛びそうだが、これが今の児童ポルノの現実である。
もちろん、この場合、裸を撮影しているのは紛れもなく児童自身だ。
しかし、それを性的に消費している対象主体は必ずいて、被害は確実にある。
こうした被害は児童へのインターネットの普及とともに増加していると思われる。
ただ、いくら被害を防ぎたいと言っても、インターネットやスマートフォンが生活の一部となっている現代において、子どもにインターネットを使わせない、スマートフォンを触らせないというのは非現実的だ。
こうした被害を防ぐには、現実に即した有効な手立てが必要だ。この記事では、自画撮りの定義と実態、対策について考える。
(2017/3/19 リンクがうまく貼れていなかったので修正。一部文言書き換え。)
自画撮りとは?
警察庁の定義
「自画撮り被害」とは、だまされたり、脅かされたりして児童が自分の裸体を撮影させられた上、メール等で送らされる被害をいいます。
言い換えれば、誰かに言われてアップロードした場合、自画撮りの被害ということができる。
被害として扱われるには、加害者が必要なのだ。
逆に、騙されたり脅されたりした相手がおらず、自発的にやってしまった場合、被害として扱われない。
むしろ、児童ポルノをアップロードした犯人として罪に問われる可能性すらある。
今回の記事でアップロードして逮捕されたケースがあったというのは、そうした内的動機から犯行に至った「構ってちゃん」だというわけだ。
対策は?
東京都は青少年健全育成条例を改正し、自画撮りを要求することの明確な違法化・フィルタリングアプリの推奨・啓発教育をすることを定めた*1。
まず、第一に撮らせない環境づくりが重要である。
一方で、フィルタリング機能では必ずしも被害を防げるとは限らないので、子ども自身にもリテラシー教育をしていく必要がある。
自己の尊厳を高める教育を
以上のように、自画撮りによる児童ポルノの発信を防ぐには、それなりの対策が必要だった。
そもそも自画撮りは加害者によって、児童が性的な自撮り画像を送信させられた場合をいう。
現状、自分の意志で自発的に撮影した児童は逮捕される。
自画撮りの被害を防ぐには、児童に撮らせず、大人に閲覧させないための対策が必要となる。
そうした対策として、東京都は自画撮り防止のための教育やフィルタリング、取り締まりの強化を挙げている。
自撮り画像は、体を写したものであって、心を写し取ったものではない。
その書き込みで人気が集まったとしても、あなたの見た目を性的に利用されているにすぎないはずだ。
児童が自分の尊厳を高められるような教育が求められているのではないだろうか?