気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

もやしは消えてしまうのか?〜もやしは絶対負けないんだから!〜

救世主がスーパーから消えてしまう前に

もやしが手の届かないところへ行こうとしている。通りすがりの仮面ライダーではなく、野菜の方のもやしだ。主婦や貧乏人、一人暮らしなどの味方と言われるもやしだが、もはや安値を維持できるのは時間の問題だ。

 

www.buzzfeed.com


最近は30円台後半のものを多く見るが、それでも生産者にとっては安いらしい。「せめて1袋40円」にしてほしいそうだ。たしかにもやしは安い、弱者の味方というイメージがついてしまった以上、高くするのには難しいところもあるだろう。しかし、我々消費者はこのまま放置すれば市場からもやし自体が消えてしまうという危惧も感じなければならない。

 

 

だが、そもそも、もやしという食材はそこまで「味方」なのだろうか? 確かに価格は安いが、使い勝手や耐久の面を考えると、実はそこまでの超食材でないように感じる。昨年の天候不順以降、関東では根菜の高騰が続いているが、だからと言って、もやしが根菜の穴を埋めてくれるわけではなかったと思う。そう考えてみると、もやしは実は家庭の救世主とは言えない気がしてくる。我々はもやしを使い続けてよいのだろうか?

 

もやしの利点:手軽な食材

もやしは手軽な食材として、家庭で親しまれている。1袋は20-40円と、他の野菜よりもはるかに安い。キャベツと違って切ることはなく、皮や種を取る必要もない(ヒゲを取る人もいるが)。じゃがいもやごぼうのような泥は付いていないので、さっと洗うだけですぐに調理に使うことができる。根菜類と違い、1分程度火を通せば食べられるというのも非常に効率的で経済的だ。肉と一緒に炒めればそれだけでおかずになるし、もやし単体でもポン酢などをかければ美味しくいただける。このように手軽に使えるのがもやしの長所である。

 

もやしの難点:量が多すぎる

一方で、もやしは冷蔵庫の邪魔者でもある。少子化核家族化が進む現代の家庭において、あるいは一人暮らしの若者にとって、もやしは1gあたりの価格が安いだけのありがたくない食材になっていないだろうか?


もやしは1袋に200-300gも入っている。これを使い切れば2-3人前ぐらいの料理になると思われる。もやしは消費期限が短いため、これを2-3日で使い切らなければ(食べ切らなければ)ならない。一般の学生や会社員であれば、昼食は学食や社食、あるいは周囲の飲食店での食事になると思う。あるいは弁当だったとしても、そのもやし料理を1人前丸ごと弁当箱に入れることは難しい。つまり、2-3夜連続(多分夏場は無理)でもやしを食べ切らなければならないのだ。このように、もやしは量が多くて煩わしい食材である。


もやしは料理の脇役としては使いづらい。量が多く、消費期限が短いことから大量消費レシピになりがちだ。つまり、もやしを1袋丸ごと使う料理が中心になる。おまけに買い置きができないので、週に何度も買い出しに行けない人にとっては手元に置きにくい食材だ。使うか使わないか、0か1かの選択である。使わなければ、その20円は野菜室の奥の方で液体になってしまうだろう。前述の通り、少量で使用したとしても、2-3日中に使い切らなければならない。もやしはほぼ主役・準主役としてしか輝けない極端な食材なのだ。

 

もやしに代わるものは?

ここまで書き連ねた通り、もやしは実は使い勝手が悪い食材だ。仮にお金がなかったとしても、もやしに頼るのは実は効率的ではない。ところが、もやしがなくなった時に、困ったことが起こる。もやしに代わる食材がないのだ。もやしのように安くて、即効性(?)があって、効率的に調理できる野菜は他にない。根菜は高騰しているし、葉物野菜は下ごしらえが面倒だ。キャベツは切るのにも一苦労だし、価格が安定しない印象がある。このように、もやしの唯一無二のポジションを代替できる食材はほとんど考えられない。

 

もやしを味方にするには

もやしが高騰し、もしくは消滅する危機のもとで、我々はもやしをおいしく効率的に使い切らなければならない。そのためには、もやしのピンチヒッター的なイメージを塗り替え、4番バッターにする必要がある。いざというときに使う野菜ではなく、主力として活躍させた方がもやしのためにも、消費者のためにもなるはずだ。


幸い、今はレシピ本など買わずとも、レシピ投稿サイトや料理番組のウェブサイト、あるいは食品関連会社のウェブサイトで公開されているレシピなどがある。今こそ茹でてポン酢をかけるとか、焼肉のタレで炒めるといった単調なレシピから抜け出し、もやし料理を試してみよう。40円を冷蔵庫で溶かしてはいけない。