気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

【もしかして】車社会の人は1つ空けて座らない?

文化の前提にある交通手段

7つある席に、1つ置きに4人で腰掛ける。鉄道が発達した都会でよく見る光景だ。

電車では、この座り方によってより多くの人を着席させることができ、なおかつプライバシーを守ることができる。


しかし、鉄道にあまり乗らない人、特に鉄道の発達していない地方の人になると、2つおきに座ることがある。

 

両端に2人、中央に1人、合計3人座る座り方だ。

たしかに7人座ったら同じことなのだが、鉄道社会を生きた人にとってはすごく気持ち悪い。

 

逆もまた然りで、鉄道を知らない人にとっては、1つ置きに座るという慣習は存在しない。

だから、休日の電車では、双方にとって気持ち悪い状況が起きやすい。

 

電車と自動車が隔ててしまった壁は意外と高い。

 

 

 

地図と路線図

そもそも論として、地方は電車の利用を前提としておらず、電車に関する情報がない。

NHKニュース「おはよう日本」の首都圏ローカル枠では、JR東日本と道路交通情報センターのオペレーターがそれぞれ交通情報を読み上げる。

 

しかし、鉄道網の発達していない地域では、鉄道の情報が少ないか、ない。

それだったら、空の便やフェリーの情報を流した方がよほど役に立つ。


都会の人が◯◯線が遅延していると騒ぐのに対し、地方の人は道路状況に関心があるはずだ。

悪天候や事故で騒ぐことに変わりはないのだが、マインドセットが異なる。


都会の人は駅と路線で地理を捉える。意識下にない路線のことは知らない。

「品川で乗り換えて30分だよ」というふうに、有名な駅を挙げると位置関係をわかってもらえることが多い。

 

だから、地方の人に住所を伝えるときにエラーが起こりやすい。

(マイカーや自転車を持っていない人は、線路外の地理にめっぽう弱い。)

 

ダイヤグラム

自動車にはダイヤがない。したがって、終電を気にする必要もない。

 

駅前にあるわけでもない大人が遊ぶお店が深夜営業しているというCMが、しょっちゅう流れる。

私はバスを使っているのでバスのダイヤを気にしているが、それ以外の人はダイヤに急かされることはないだろう。

 

ただ、車の運転はいつも時間通りになるわけではないので、違う意味で時間に拘束されているとも言える(駐車場の時間料金も)。

 

車がないと買い物に困る

前にも紹介しているので手短に書くが、地方では買い物に車や自転車が必要だと強く感じる。

 

それこそ船橋や柏(いずれも千葉県)などの都市郊外でも、駅から離れた場所にスーパーやショッピングモールがあると思う。

 

しかし、地方の場合は、駅の周りが必ずしも栄えておらず、生活用品を揃えるのに十分でない場合がある。

専ら車で行く距離(幹線道路など)に店があるのだ。


もちろん、東京でも幹線道路沿いに店はあるのだが、駅前にも店があってそこで色々揃えることができる*1

 

地方暮らしを始めて、買い出しをしようと駅前に行ったら、ドラッグストアや生鮮食品店がなかったなんて人もいるのではないだろうか?


ちなみに、都会の駅前には駐車場があまりない。

 

小規模なコインパーキングやデパートなどの駐車場に停めることになるだろう。

駐車料金を払うよりは電車やバスを使った方が明らかに経済的な場合もある。

 

コンビニとおしぼり

都会ではコンビニのイートインスペース(店内で飲食可能な座席)が増え、該当する店舗ではおしぼりがもらえることがある。

しかし、それ以外の場所ではオフィスや自宅に持ち帰って食べることが普通である。

都会の電車では、東京〜宮城を結ぶ常磐線以外のほとんどの路線で飲食が忌避されているためだ。


一方、地方のコンビニ、特に幹線道路に面した店舗では、食事を買った人におしぼりをつけてくれることがあるようだ。

 

トラックの運転手などの車内で食事を摂る人が利用するため、食事前に手を拭くことは重要となる。

都会のように徒歩圏内に何軒もあるわけではないので、運転者(もしくはその連れ)の利用に需要があるようだ。


都会で暮らしている人は、行楽などで訪れた地方で、そのサービスの違いに温かみを感じることがあるかもしれない。

逆に、地方の人は都会特有のサービスの違いに注意したい。

 

伝達不良を防ぐために

席の座り方やコンビニの使い方のような面白い違いはなかなかないと思う。

でも、都会の人が電車に、地方の人が車に縛られているということを認識していた方がミスコミュニケーションは防げると思う。

 

間違っても、若者の需要を狙って都市の郊外に出店すべきではない。

 

追記:駅周辺の範囲が広すぎる

先日、金沢市駅西に用事があり、行ってきた。

ところが、ここでひとつ重大なミス。なんと目的地は金沢駅西口になかったのだ。


東京人の感覚としては、駅前というと駅の目の前に広がっている光景、あるいはそこから徒歩10分以内の場所を想定すると思う。

 

しかし、私が行こうとしていた場所は徒歩20分程度を要する場所だった。

実は金沢駅西口から2kmぐらいの場所までが「駅西」を名乗っていて(住所がそうで)、東京人の「駅西」より明らかに範囲が広かった。


それこそ大きな駅がない地域の人は、駅前に東も西も、南も北もないのかもしれないが、地方都市ともなると、こうなるのかもしれない。

(おそらく金沢は極端。)

 

結局、バスに乗り直して余計な出費になってしまったが、よい勉強になった。

*1:地方では、駅前ではないところに商店街がある!