気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

21世紀の今だからこそ親子の混浴を認めるべきではないか?

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Photo by Matthew Kane on Unsplash

 

ワンオペ育児に追い打ちをかける事件

会議に赤ちゃんを連れ込むかが話題になる中、今度は性の異なる子どもを入浴施設に連れ込むことにスポットが当たった。

 

www.sankei.com


男湯の脱衣所で、父親に同伴している女児を盗撮していた男が書類送検された。

男が使っていたのは特殊なカメラではなく、スマートフォンだった。

母親がいないなどで、女性に同伴させることが困難な女の子がいる中、シングルファーザーは追い詰められている。

 

今の状況

現状は、都道府県によって混浴可能な年齢が決められている。家族風呂などの一部の特例を除き、原則として入浴施設での混浴はできない。

しかし、一定の年齢以下の子どもは、性にかかわらず、保護者と同じ性の入浴施設に入ることができる。

 

  • 防犯のため
  • 安全のため
  • 子どもが周囲に迷惑をかけないため

公衆浴場に性の異なる子どもを連れて入れる制度は必要とされている。

 

しかし、子どもとはいえ異性であるため、他の利用者から迷惑がられたり、今回問題になっているように性的被害に遭ったりしている。


プールであれば、性の異なる親子も使える多目的の更衣室があるようだ。

しかし、入浴施設は基本的に性によって浴場が異なるので、そのような部屋は存在しない。

 

不十分な規制は避けたい

話を進める上で、2つほど大事なことを指摘しておかねばならない。

  1. 「男(の子)だから安全」というわけではない。
  2. 悪いのは性犯罪者であって、被害者ではない。

 

男VS女ではない

第一に、女性・女の子だけを保護するというのは間違いだ。現に、入浴施設での男性から男性への性被害も報告されている。

むしろ、男湯には、反社会組織など別の意味で気をつけなければならない人もいて、小さな男の子がひとりで男湯を使うことすらも安全と割り切ることはできない。

そういう意味では、「男から女を守る」という考え方は捨てるべきだ。

 

性被害防止のために不便を強いるな

第二に、性の異なる子どもを連れ込むこと自体を制限するのは、困っている人をさらに苦しめる。

客の身を守るためとはいえ、実質的に利用を禁止するのは合理的ではない。

誰かの幸せを犠牲にしてまで何かを禁止するには、相応の理由が必要である。


例えば、痴漢防止のために女性の乗車を禁止した鉄道会社があっただろうか?

そうではなくて、女性専用車両を設けるなどして、被害防止に努めている。

トイレも、仕切りや壁のサイズを大きくするなどして、盗撮被害の防止に努めている。


このように、やめさせる以外の道をとることも可能である。

 

親子連れが安心して利用できる施設へ

最近では、親子で安心して楽しめる施設というものも充実してきている。

例えば、子どもがいるけれどライブに行きたいという人には、親子席がある。

痴漢や激しいアクションによるケガが危険視されているライブ会場だが、今は子ども連れでも安心して安全に楽しめるようになっている。


同様に、入浴施設に性の異なる子どもを連れ込むのを規制するのではなくて、安心して入浴できる仕組みづくりが求められている。

 

もっと別の対策を

さて、今回の問題は、性の異なる保護者と混浴する子どもを盗撮被害から守るにはどうすればよいかという話だ。


そもそも、21世紀に混浴はありえないという人もいるだろう。

しかし、性の異なる子どもに同伴することを必要としている人がいる以上、今すぐやめさせるのは難しい。

混浴自体を悪とするのではなくて、もっと別の対策が必要である。

 

カメラ・スマホの持ち込み禁止

例えば、スマホなどの貴重品をロッカーやクロークで預かるという対策が考えられる。

その上で、浴場には着替えとタオル以外持ち込めないようにする。そうすることで、盗撮だけでなく、盗難の被害も防げる。


たしかに、眼鏡型などの特殊なカメラを使う手口もあるが、最近はそれを探知する機械もあるようだ。

どうせ浴室ではスマホを使えないのだから、事前に預かっても問題ないだろう。

 

湯浴み着(湯着)・水着入浴の普及

最近では、裸で風呂に入る文化のない外国人も増えていることから、風呂で着る服・湯浴み着の導入が進められているようだ。

浴場内での異性からの目を避けるためにも、湯浴み着を着るという選択肢は間違っていないと思う。


もちろん、水着で入る入浴施設もすでにある。

着替えという面ではまだ課題が残るが、服を着たまま入る風呂は、混浴問題に対するひとつの解ではあると思う。

 

まだまだパパを前提としていない世の中

親子で楽しめる施設があることは上で紹介したが、まだ不十分だというのが正直なところだ。

母親(ママ)がターゲットになっていて、父親の利用を想定していない(または対象外の)設備やサービスなどもある。

ベビーベッドが男子トイレにないというのが最たる例だ。


他にも、子どもに関するサービスで「ママ◯◯」と銘打っているものなどがあり、まだまだパパが子育てしやすいような環境は整っていない。


そんな中で、パパが小学生以下の娘と入浴施設に来ることを規制するのは、それこそ時代に逆行しているように思えてならない。