スマホで観光客の利便性向上&マーケティング
日本に来る外国人観光客は、情報が足りなくて困っている。
私も、金沢で外国人観光客がバスの運転手とトラブルになっているのを何度も目撃した。
英語が普及していない日本においては、英語での対応に限界があり、マンパワーにも限りがある。
そんなときに注目したいのが、IT(情報技術)だ。
ITを使えば、外国語を喋れる人をたくさん用意する必要はないし、口頭やチラシでは伝達できない情報を扱うこともできる。
英語で「200円」が言えないバス運転手〜地方インバウンド観光の限界〜 - 気持ちのサンドバッグ
観光客向けスマホ貸出サービス
その技術のひとつが、今朝話題になっていた観光客向けのスマホ貸出サービス「ハンディ(handy)」。
- 観光客が情報を得る
- ホテルが観光客の情報を得る
- ホテルや観光地が情報を配信する
ためのサービスだ。
これによって、旅行客の利便性が向上することが期待される。
このような情報提供のためのITツールはhandyだけではない。
この記事では、最近注目されているIT技術をいくつか紹介したい。
観光にも応用可能なメガネ型端末
大手メガネ販売店「メガネスーパー」が発表したメガネ型のウェアラブル端末。
メガネメーカーのノウハウを活かしつつ、ほかの端末との連携性に優れたスマートグラスである。
AR(拡張現実)技術を活かした外国人観光客向けのサービスも検討されており、博物館などの解説や翻訳が画面上に浮かび上がるそうだ。
位置情報で利便性向上
もうひとつ、今後の活躍が期待されている端末がある。
それは「ビーコン」と呼ばれるもので、スマートフォンが位置情報を正しく知るために使われる。
施設の管理者がこれを設置すれば、スマホは、GPSでは認識できなかった「何階にいるか」などの情報を把握できるようになる。
ビーコンがあれば、位置情報に適合した広告や情報をスマート端末で提供できるようになり、観光客の利便性も上がりそうだ。
課題としては、施設管理者がビーコンがいかに有益かを理解していないことが挙げられる。
そのため、ある企業ではビーコンの無償配布キャンペーンを行ったようだ。
位置情報に適合した情報は観光客を呼び込むためにも役立つため、観光地の企業の間で広まってくれることを期待したい*1。
キャラクターがチャットで道案内
Facebookメッセンジャーで、観光客への情報提供ができるというサービスがある。
サンリオピューロランドでは、このサービスを利用して、キャラクターが利用客に情報を提供する仕組みを作った。
迷いやすく情報も多いテーマパークにおいて、そうした情報提供の仕組みがあるのはうれしい。
それに、キャラクターとの会話を通じて、テーマパークへの没入感が倍増することが期待できる。
サービスは館内の専用コードを読み取ることで使えるそう。行く前に、Facebookメッセンジャーのダウンロードをお忘れなく。
観光の利便性向上のためのクラウドファンディング
これはテクノロジーではないが、外国人観光客の満足度を高めるためのクラウドファンディングサービスが立ち上がろうとしている。
日本中の企業が訪日外国人を増やすための事業を提案できるシステムだ。
例としては、「渋谷で忍者のコスプレをしてもらうサービスを始めたい」というものが挙げられている。
地方観光地のバスターミナルを多言語対応にするなど、大規模なクラウドファンディングが起こることを期待したい。
スマートデバイスに対する認識を改めよ
これは日本社会全体に言えることだが、スマート端末が情報ツールやライフラインであるという認識が弱い気がする。
日本は多言語対応が不十分で、観光客が道に迷ったり、誤った場所に輸送されたりするケースが多い。
視覚障がい者もスマホを使うし、持病を持っている人はスイッチ1つで119番を呼べる緊急SOS機能を重宝する*2。
もちろん、スマホには楽しいゲームアプリがあり、友達と楽しくおしゃべりもできる。
しかし、言葉のわからない観光客やハンディキャップのある人にとっては、大事な生命線でもある。
われわれは、スマートデバイスが持つ「遊び」以外の意味を認識すべきだ。
*1:個人的には、観光地以外の施設でも迷子になることがあるので、そちらでも推進していただきたいです。