災害から逃げ遅れないために
2018年7月の西日本の水害を受けて、家族といろいろ話していた。
その中で、「災害時、防災無線の音が反響して、伝わりづらいのではないか?」ということが話題になった。
実際、防災無線の音は聞き取りづらく、何を言っているのかよく分からない。
今回の一連の災害でも、相当数の死者・行方不明者がでている。
もしかしたら、避難指示や特別警報を聞き逃していた人もいるのではないだろうか?
そこで提案したいのが、スマホアプリの利用だ。
(この記事は、逃げ遅れた被災者を糾弾するためのものではないので、あらかじめご了承願いたい。)
気象情報・警報を受け取るための3つのアプリ
まずは、私が使っている気象情報や警報の発令を教えてくれるアプリを紹介したい。
これらのアプリを使えば、防災無線がなくても、否、防災無線以上に避難に役立つ。
NHKニュース・防災:いつでも使える情報収集の手段
NHKアプリは、登録した地域の気象警報や熱中症注意情報を常に配信している。
大きな災害があった際は、テレビのニュースをネットでも同時配信する。
それ以外に、被災地の中継映像も順次配信される。
動画が見られない状況でも、テレビで流れた速報テロップは、アプリでも同時にプッシュ通知される。
このアプリはニュース配信も兼ねているが、テレビでは放送されない記者会見なども同時中継する。
災害時でなくても役に立つので、入れて損はない。
Yahoo!防災速報:災害情報・緊急用アプリ
Yahoo!防災速報も、登録した地域に発令されている気象警報や豪雨の予報などをプッシュ通知で教えてくれる。
避難場所マップなどの防災情報も載っているので、緊急時に役立つ。
犯罪の注意喚起やJアラートにも対応しており、必ず入れたいアプリである。
Yahoo!天気:便利な天気予報アプリ
Yahoo!天気は、開いていなくても天気予報が見られる便利なアプリだ。
今日の天気はウィジェット(iOS版)から見られる。
雨雲が近づいてきたら、プッシュ通知をくれる*1。
アプリを開ければ、週間予報と現在の気象情報が表示される*2。
洗濯物の乾きやすさ、傘が必要かどうかなど気象以外のことも教えてくれて、非常にありがたい*3。
うれしい機能としては、明日の天気をプッシュ通知で配信してくれることがあげられる。
翌日が雨か雪の場合のみ配信することも可能だ。
それから、今日と翌日とで気温差がある場合にも、通知を設定できる。
快適なおでかけをしたいなら、Yahoo!天気アプリがおすすめだ。
NHKニュース・防災は緊急時にテレビニュースを同時配信してくれる。
Yahoo!防災速報は災害情報や気象情報に加え、地域の防犯情報もプッシュ通知で教えてくれる。
Yahoo!天気は雨が降りそうなときや、翌日の天気に大きな変化があるときに通知をくれる。
災害発生後に情報を集めるアプリ
では、死者・行方不明者が何人いるか、交通状況はどうなっているかなどはどう調べればよいだろうか?
ニュースアプリを使おう。
AbemaTV・日テレNEWS24:24時間ニュース配信
NHKニュース・防災のほかにも、ニュース動画を配信してくれるアプリはある。
その代表例がAbemaTVだ。
一部生配信ではない時間帯もあるが、基本的に24時間生配信のニュースチャンネルを抱えている。
AbemaTVはテレビ朝日系列だが、日本テレビ系列の日テレNEWS24も24時間ニュース配信をしている。
AbemaTVはワイドショー的な側面もあるが、日テレNEWS 24は24時間淡々とニュースを流している。
さすがのAbemaTVも、災害のときぐらいは真面目に報道していると思うので、好きなほうを使ってほしい。
ちなみに、NHKニュース・防災は今回の水害では、同時配信と言いつつ、実際には配信していない時間もあった*4。
たしかに、NHKは番組を中断するなど初動対応に強いが、ひと段落した後はニュース専門チャンネルのほうが役立つのかもしれない。
ネットテレビのニュース配信はAbemaTVや日テレNEWS24がおすすめ。
NHKニュース・防災は臨時ニュースを同時配信するなど、初動に強い。
Yahoo!ニュース:個人記者からテレビまで
Yahoo!ニュースは報道各社のニュースを、自社のサイトで配信するサービスおよびアプリだ。
ニュースまとめサイトとしては最古参勢と言える。
最近の新聞社はネット上でも随時ニュースを更新しており、あらかじめ番組構成が決まっているテレビニュースよりも、情報が早いこともある。
最新のニュースを瞬時にチェックしたい場合は、まとめアプリがおすすめだ。
このアプリの特徴としては、記者個人によるYahoo!ニュース独自の記事の存在が挙げられる。
災害発生から時間がたてば、批評性の高い記事も読めるだろう。
朝刊・昼刊・夕刊と称して、主要ニュースを選りすぐって表示する機能もある。
民放各社のニュース映像(録画)も配信しており、日テレNEWS24も視聴できる。
新聞社の報道は、朝・夕刊以外にも随時行われている。
Yahoo!ニュースは最古参のニュースまとめサイトのひとつ。
SmartNews:新聞のようなデザイン
SmartNewsはニュースまとめアプリの1つ。
新聞をスマホに落とし込んだようなデザインが特徴だ。
1面にはトップニュースが表示されているが、2面以降は自由にカスタマイズできる。
一般的なニュースのカテゴリーに加え、好きなメディアやカテゴリーも追加可能だ。
個人のまとめブログの記事も表示できるため、必ずしも高尚な情報というわけではない*5。
それから、ニュースがタイルのように並んでおり、運営が推したい記事ほど大きく表示されている。
広告は記事一覧の中に組み込まれている。
クーポン機能に代表されるように、単なるニュースアプリではない。
まあ、新聞の広告のようなものだと思ってもらえればよい。
SmartNewsは新聞のようなデザインが特徴。
Twitterはダメなの?
- Twitterで救助を求める人がいた。
- 災害経験者が経験談をツイートしていた。
そんなことが話題になっているが、Twitterのみを情報源とすることはオススメしない。
今回の水害でも、「レスキュー隊の格好をした窃盗団がいる」というデマが流れ、被災者を混乱させた。
Twitterは個人が自由に情報を流せる場所である。
それは信頼できない情報も流れることを意味している。
たしかに、大手メディアでも誤報をする場合がある。
だが、きちんと取材をしているテレビや新聞、大手ネットメディアのほうが、取材をまったくしていない個人ユーザーより信頼できる。
もちろん、個人が情報を流す場としてのTwitterは必要だ。
でも、根拠のないウワサ話が広まる恐れもあるので、各地を取材している記者たちの情報にも耳を傾けるべきである。
他のメディアにも目を通し、Twitterだけを情報源としないことが大切である。