気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

声優は資格とみなした方がよいのではないかという話

声優は声を使わない仕事をすることが増えている。

Photo via PEXELS

 

それって声優の仕事じゃなくね?

今の日本で、声優はどんな仕事をしているだろうか?

 

声を使う舞台俳優や司会業ならまだしも、雑誌のモデルや作詞作曲をする人もいる。

最近では一般のバラエティ番組などに、声優が出演することがある。

ナレーション以外でだ。

 

逆に、声優以外の人がアフレコにチャレンジする場合もある。

 

今、声優と他の職業の境界線は曖昧になっているように感じられる。

もはや、声優という肩書きは意味をなさなくなっているのではないか?

 

 

 

 

声優を技能・資格に

一方で、声優には俳優とは違った技能・トレーニングが求められる。

 

したがって、声優という仕事をなくすことはできない。

そうではなくて、タレントのさまざまな技能の中に声優がある、という状態が好ましいと思う。

 

声優は技能・資格として認めていくべきだ。

 

ふぐ調理師はあくまで料理人

例えば、ふぐ調理師という資格がある。

 

しかし、「ふぐ調理師の◯◯さん」という表現はあまり聞かない。

資格者をふぐ調理師と呼ぶのは、ふぐの話題と求人広告のときぐらいではないだろうか?

 

あくまで料理人の一技能としてふぐ調理師がある。

関係のない場所では、彼らは単なる料理人にすぎない。

 

声の仕事のときだけ「声優」

声優も、タレントの技能のひとつとして考えよう。

 

声の仕事をするときは声優として扱い、それ以外ではタレントないしは歌手とみなす。

そうすれば、彼らが声優以外の仕事をすることに違和感はなくなる。

 

声優はタレントの持つ技能のひとつ、あるいはその技能を持つ人とみなすべきだ。

声当て以外の仕事をするときは、タレントを名乗ったほうが自然である。

 

声優は「信頼できる証」として

声優の技術は重要だが、声優以外が声の仕事をできないとするのはやりすぎだ。

Photo via pixabay

 

もっとも、ふぐと違って、声に毒はない。

 

「声優の資格がない人は声の仕事ができない」など、厳密に決める必要はない。

あくまで、声優の資格は「信頼できる証」であるべきだ。

 

英語がうまくてTOEICのスコアがない人

例えば、TOEICのスコアが高い人は英語の話者として信用できる。

 

だが、TOEICのスコアを持っていなくても、英語が堪能な人はいる。

声優に当てはめれば、特撮ヒーローを演じた俳優はアフレコがうまいことで有名だ。

資格はあくまで、オーディションで有利になるぐらいがちょうどよいと思う。

 

人気タレントの起用

それに、大衆向けの映画などでは、どうしても人気タレントを起用する必要がある。

 

そうした事情もあることから、「声の仕事をできるのは声優だけ」と決めるのはよくない。

 

ただし、声当てが下手なタレントが採用されるケースもある。

棒読みタレントの起用を防ぐためにも、声優を資格化するのはよいことだと考える。

 

声優は命に関わる技能ではないので、声の仕事を声優のみに限定する意味はない。

本職が声優ではなくても、声の演技がうまい人はいる。

ただし、棒読みタレントを避けるためにも、資格は重視したほうがよい。

 

真の意味での声優のタレント化

上にも書いた通り、声優が生身でテレビに出ることも増えてきた。

だが、アニメ関連以外のテレビ番組では、どうしても職人的な扱いを受けてしまう。

 

他のタレントのことは詳しく紹介されないのに、声優だけ、何の役を演じているかを説明される。

場合によっては、その場で演技をさせられる。


彼らはタレントの仲間ではなく、キャラクターを演じる職人として扱われるのだ。

いわば、副業でタレントをしている人と同じカテゴリになっている。

 

そうではなくて、声の仕事もできるタレントとみなされることがゴールである。

 

たしかに、アイドル声優やゲスト声優が声優の品位を下げているという声もある。

だが、声優を資格化したほうが実情にあっているのではないだろうか?