ポイントカード2枚の提示を求めてくるお店
先日、あるお店で次のような出来事があった。
会計で「ポイントカードはお持ちですか?」と聞かれた。
私は、手に持っていたポイントカードAを差し出した。
すると、店員は「ポイントカードBはお持ちですか?」と私に尋ねた。
私は財布からポイントカードBを取り出して、店員に渡した。
このお店ではAとBの2種類のポイントカードを取り扱っている。
私はこれまで、普段はポイントカードAを提示し、キャンペーンのときだけBを提示していた。
でも、Aを出した後にBの提示を求められたのは初めてである。
システム上、ポイントの二重取りは可能なようだ*1。
しかし、お店にとっても、客にとっても、非効率だと感じる。
ポイントカードの役割
リピーターの獲得
ポイントカードは本来、特典をつけることでリピーターを増やすものだったはずだ。
スタンプを集めることで商品の無料券がもらえるというのは、今でもよく見る。
大手共通ポイントカードは、ポイントサービスを店舗間で共有することにより、相乗効果を狙っている。
ポイント還元でお得に買い物
ポイントカードは代金の一部をポイントでお返しする。
これがいわゆるポイント還元だ。
最近は200円で1ポイントというカードが多い。
一方で、特定の曜日にポイントが2倍になるなどのキャンペーンは活発に行われている。
集めたポイントは代金の端数を補ったり、満額を払うのに使われる。
クーポンの発行
会計や専用の端末で、クーポンを発行するポイントカードもある。
割引やお試しのクーポンで販売を促進しつつ、客を他店にも誘導する。
一部の飲食店では、商品が会員限定価格で手に入る。
会員のステージに応じて、クーポンの内容が変わる場合もある。
ログインしていなくてもクーポンが使えるアプリもあるが、ログインしたほうが絶対によい。
少なくとも、入会して損することはないだろう。
ポイントカードは、買い物にポイントやクーポンをつけて、繰り返し来店するよう客に促す。
ポイントカード2枚は手間がかかる
そういう意味では、ポイントは多いに越したことはないし、ポイント目当てに客が来るのは店もうれしい。
でも、ポイントカード2枚を読み取るのは、効率が悪い。
客はお代とポイントカード2枚を取り出し、お釣りとレシートを受け取る。
店員は、ポイントカード2枚とお代を受け取る。
ポイントカードをそれぞれスキャンし、カードとお釣りとレシートを返さなければならない。
お釣りが自動化されていないレジでは、店員が自分でお釣りを取り出す必要がある。
レジの回りが悪くなり、店員も客も困る。
願わくは、電子マネー+別のポイントカードで二重取りをさせてほしい。
電子マネーと付与率が異なるものも
ポイントがつく電子マネーの中には、買い物でつくポイント数がポイントカードと異なるものもある。
ポイントカードでは100円で1ポイントなのに、電子マネーでは200円で1ポイントというのが典型例だ。
それから、最近は減ってきたが、電子マネーではポイントがつかないお店も存在する。
そういうお店では、現金+ポイントカード払いをしたくなる。
さらに、ポイントの二重取りをするならば、現金+ポイントカード+ポイントカードを提示しなければならない。
客は得をするために、非効率な行動をするよう動機づけられてしまっているのだ。
電子マネーとポイントカードの付与率は同じにすべきではないのか?
現金と2枚のポイントカードを出すよりは、1枚の電子マネーと1枚のポイントカードを出したほうが効率がよい。
しかし、現状では電子マネーでもらえるポイントが、ポイントカードより低い場合もある。
客は非効率な買い物を動機付けられている。
効率的なシステム
レジなしコンビニの実現を
Amazonの無人コンビニのことが思い出される。
商品を持ってゲートをくぐると、自動で精算されるというものだ。
あれは素晴らしい。
ポイントの二重取りのために、後ろの人を待たせずにすむ。
店員の仕事はどうなるのかという批判もあるだろう。
だが、日本のコンビニにおいては、商品の陳列、清掃やホットスナックの調理などを人間が行なっている。
段階的にはそうした仕事はなくなっていくとは思う。
でも、ただちにコンビニ店員の雇用が失われるようなことはないはずだ。
一括でポイントがたまるアプリを
一番よいのは、提携しているポイントが一発でたまることである。
他の記事で、ケンタッキーフライドチキンのアプリを紹介した。
あれはバーコードをスキャンするだけで、Pontaポイントとチキンマイルをためられて、KFCカードで支払いできる。
あのような感じで、楽天ポイントやdポイントなどの共通ポイントが一発でためられるサービス*2を作れば、便利なのではないか?
電子マネーやポイントサービスが乱立する中で、天下統一をしてくれる豊臣秀吉はいないものか?