気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

テレビのポリコレ化、動画配信への移行、文句を言うテレビ世代

テレビ世代の一部はポリコレを嫌い、動画配信への移行を嘆く。

Photo by Tina Rataj-Berard on Unsplash

テレビっ子こそネット動画を見るべきではないのか?

とあるアニメがネット配信へ移行することについて、ネット上からは「テレビ放送が終わってしまうのは残念」という声が聞こえてきた。

こうした発言の前提には、動画配信への移行はテレビからの左遷だという考えがある。

 

実際のところ、我々テレビで育ってきたテレビ世代にとって、動画配信はアングラ(死語)な文化に思える。

もっと上のネットに馴染みのない世代は、配信を気にもかけていないだろう。

みんな心の奥底では、配信を見下している部分もあるのではないか?

 

そこで、テレビ世代の傲慢な考えを書き出してみた。

 

 

 

 

 

「規制を受けてテレビはつまらなくなった」

「昔のテレビは面白かった」という声をよく聞く。

厳しい「放送コード」によって、自由にテレビ番組を作れなくなった。

いじめや差別を放送しにくくなり、かつての「面白い」番組を放送できなくなっているというのだ。

 

これに加えて、最近は「ポリコレ(政治的正しさ)」という言葉も使われる。

世の中にさまざまな人がいることがわかってきた。

だから、少数派や弱い立場にある人たちがいることを積極的に表現しよう、というのがポリコレの考え方だ。

 

ポリコレは「お説教」

ポリコレは放送コードに比べ、メディアの自主性によるところが大きい。

ただし、放送コードには抵触しないが、ポリコレではない表現*1が批判されることもある。

 

テレビ世代には、そうしたポリコレを窮屈に感じている人がいるようだ。

 

今、女の子向けのアニメに男の子のメインキャラクターを登場させたとしよう。

その番組の中で、男の子も「ヒロイン」に変身したりする。

テレビ世代の一部はこれを見て、お説教を受けているように感じてしまうようなのだ。

「性の多様性を認めなさい」と。

 

それでもテレビ世代は、窮屈で不自由なテレビを見続ける。

 

実は……配信サイトはテレビより自由

しかし、現実には配信サイトの方がテレビよりも自由にやっている。

高尚な番組もあるが、低俗な番組も多い*2

 

そんな中で、「動画配信を必要としている人たちはテレビを見たい」というミスマッチが生じている。

 

マイノリティの存在を描いたポリコレなテレビ番組が増えている。

テレビ世代の一部は、ポリコレや放送コードを嫌う。

彼らが求める自由な番組は、むしろネット配信に多い。

 

「何事もテレビで放送されるべき」

テレビ世代の一部には、テレビ(特に地上波)がネット配信よりも優位に立つという前提があるようだ。

 

そのため、野球のナイター中継が地上波で行われなくなったことを嘆く。

配信に移行する番組についても、「番組が終わった」と嘆く。

何事もテレビで放送するのが一番よいと思っている。

 

実際には、配信が優位に立っている番組のジャンルや視聴者層もある。

例えば、ゲームなどの情報番組は配信のほうが盛り上がる。


一方で、深夜アニメはテレビ世代のおじさん・おばさんにも見てほしいので、テレビでも放送する。

最近は配信サイトでの地上波先行・同時放送も増えており、ネット世代の若者もうまく取り込んでいる。

 

テレビにつないでネット配信を見る装置

やはり、ネットではなくテレビを見たいという人もいるかと思う。

だが、面白い番組はネットに移行していく。

そこでおすすめしたいのが、テレビにつなぐことでネット配信番組が見られる装置だ。

 

有名どころは、

  • Amazon Fire TV Stick
  • Apple TV
  • Google Chromecast(クロームキャスト)

の3つ。

 

これらは無線通信などを通して、ネットにつながる仕組みである。

YouTubeやAbemaTVなどの無料動画、スポーツチャンネルDAZNなどの有料会員サイトも見られる。

(装置自体は買い切りだが、有料会員サイトは月額料金がかかる。)

 

ネット上では、設定を代行するサービスがあることが確認できた。

希望する方は、お住まいの地域でそうしたサービスがあるかを各自で調べてほしい。

 

テレビ世代の一部には、テレビが動画よりも偉いという思い込みがある。

スポーツ中継などはネットに移行している。

テレビでネット動画が見られる装置がある。

 

「客ではない」という意識を

テレビ世代がどれだけ配信を叩いても、彼らがテレビに戻ってくることはないだろう。

動画を見る層をターゲットにしたいと思ったのだから。

 

テレビ世代が怒ってよいのは、ニュースなどの最低限必要な番組がネットに移行したとき。

それ以外は「客ではなくなった」と考え、大声で文句を言わないようにしよう。

客であり続けたいなら、配信を見よう。

 

ネット世代から「うるさいおっさん・おばさん」だと思われないようにしたい。

*1:例えば、女性アスリートや女性研究者の美貌について紹介し、実績は紹介しないなど。「しない」ことは放送コードに引っかかりづらい。

*2:配信サイトには、ポリコレを意識してリメイクされたアニメもある。一方で、古いテレビドラマの配信(再放送)や、テレビ番組を焼き直したような低俗なバラエティ番組も多い。