制限付きだが 無料で音楽が聴けるアプリ
音楽業界では、月額制の聴き放題サービス(=サブスク)が普及している。
CDを買わなくても、好きな楽曲がいつでも聴けるサービスだ。
月額1000円程度で聴けるものも多い。
サブスクの影響で、CDを販売していないアーティストが大ヒットしている。
その一方で、違法配信がアーティストの活動を阻害している。
私たちにできることはないのか?
この記事では、サブスクのメリット・デメリットと、音楽を無料で聴く方法について説明したい。
(ここで紹介しているサービス内容や価格は2021年8月時点のもの。変更の可能性あり。)
サブスクでできること
サブスクにはさまざまなメリットがある。
- 高音質の音楽をフル尺で再生
- 楽曲のダウンロード、オフラインでの再生
- プレイリストの作成・再生
- 楽曲のスキップ(聴かずに飛ばす)
- オリジナルPodCast(ラジオ番組)の視聴
ほしい音楽をほしいときだけ手元における。
気分に合わせて、所有していない曲を再生できる。
CDの読み込みや音楽ファイルのダウンロードを前提としないので、ストレージの容量を節約できる。
(ダウンロードやオンライン視聴は、その都度、通信料がかかる。)
サブスクでできないこと
もちろん、サブスクはよいこと尽くめではない。
デメリットとしては、主に以下の3点が挙げられる。
- ユーザーに音源の所有権がなく、配信停止とともに消滅する。
- サブスクを解禁していないアーティストの曲は聴けない。
- アーティストがよい音楽ではなく、聴いてもらえる音楽を目指すおそれがある。
サブスクアプリ内のダウンロードは、貸与にすぎない。
従来のCDレンタルと違って返却期限はないが、ダビングは許されていない。
アーティストが不祥事を起こした場合、アプリ自体がサービスを終了した場合、聴けなくなる。
いま、旧来のアーティストは、「聴いてもらいたい」と「作りたくない」という2つの感情の間で苦しんでいるだろう。
というのも、新世代のアーティストはサブスク前提で曲を作って、ヒットさせている。
楽曲をスキップせずに聴いてもらうため、イントロや曲の尺を短くする。
サブスクを解禁していないアーティストの曲はそれこそ、違法配信の餌食になるかもしれない。
配信していないからこそ、一定の需要が想定される。
旧来のアーティストは自分たちの音楽と権利を守るために戦っている。
どのサービスで聴けばよいのか
利用するサービスは、持っている機器や生活スタイルに合わせるとよい。
スマホ以外に、Amazon Echoなどのスマートスピーカーにも対応している。
有名なものとしては、以下の4つがある。
- iPhoneと相性がよく、音楽配信サイトの実績があるApple Music
- Androidと相性がよく、Google Home / Amazon Echoと連携できるYouTube Music
- Amazon Echoと連携できるAmazon Music
- LINE CLOVAと連携できるLINE Music
それ以外に、音楽専門でやっているアプリがいくつか存在する。
違法動画・違法アプリが横行
VOCALOID界隈を中心に、YouTubeでの公式配信も増えている。
一方で、音源を勝手に転載した動画やアプリがあるのも事実だ。
アーティストには一銭も入らず、場合によっては違法動画・アプリの作者にお金が入る。
残念ながら、違法なアプリはなくなっていない。
音楽が無料で聴けることもあり、アプリストアではユーザーの評価が高いのが現状だ。
アーティストを助けるためにも、こうしたアプリの利用はやめてほしい。
なお、アーティストの公式サイトで公表がないアプリは、違法配信の可能性が高い。
それでも、なんとか音楽を無料で聴ける方法はないのか?
そこで注目したいのが、Spotifyだ。
公式サイト:
Listening is everything - Spotify
無料で再生できる!? Spotify
Spotifyが無償で使えるのは事実である。
これは違法配信ではなく、ビジネスとして行っている。
アーティストなどのサイトを見ると、配信先として公表されている。
Spotifyの無料プランでは、自由な再生が制限される代わりに、タダで音楽が聴ける。
具体的には、
- プレイリストが必ずシャッフルになる(順番通りに聴けない)。
- 数曲おきに音声広告が挟まる。
- オンライン(電波がつながっている状態)でしか聴けない。
これは何かに似ていないか?
そう。ラジオである。
特に、普段あまり音楽を聴かない人の気分転換にはもってこいだ。
もっと音楽を聴きたくなったら、プレミアム(有償版)に切り替えればよい。
CD購入以外の貢献を
これまでアーティストはCDの売上から収益を得てきた。
音源を無料で聴くのであれば、代わりの収入源が必要だ。
例えば、
- 有料のオンラインライブを視聴する
- ライブのグッズを購入する
- (CDではなく)ライブのDVDを購入する
のような貢献方法が考えられる。
サブスクで楽曲を聴けば、知らない曲が減る。
ライブ参加のハードルが下がるのであれば、アーティストにも利益があるだろう。
間違っても、「違法アプリで聴きました。応援しています」などとメッセージを送らないことだ。
サブスクを家族会員・学割でお得に
「有償版を使いたい。でも、保護者から1000円は高すぎると言われた」
そんな学生の方に知らせたいのが、家族会員制度や学割の存在だ。
(細かいサービス内容はアプリごとに異なり、そうした制度がないアプリもある。)
家族会員(「ファミリープラン」など)は、1人用の1.5倍くらいの価格で、6人程度まで聴き放題を楽しめる。
料金は代表者に請求される。
利用者は家族でつながっている必要がある。
例えば、LINE Musicであれば、LINEのともだちになる必要がある。
多くの場合、サブスクを利用する権利だけ共有する。
家族の再生した音楽を見られるとかではない。
学割(「学生プラン」など)は、個人会員の半額で登録できるものが多い。
登録には学生証が必要だ。
子どもが2人以下で、保護者が音楽にまったく興味がない場合はこちらがおすすめ。
違法視聴 あなたも捕まるかも
現状、著作権法の違法ダウンロードは、訴えがなければ罰則を受けない*1。
刑事・民事のいずれにしても、相手の名前や住所がわからないと訴えられない。
しかし、現在、情報開示請求の簡素化が進められている。
将来的には、1曲聴いただけで訴えられるかもしれないので、合法な手段で音楽を聴いてほしい。
*1:訴えがなくても警察が自由に逮捕できたら、お試し版なども処罰対象になってしまう。