大学の試験期間
大学の授業が始まり、最終試験という言葉が耳に響くようになってきただろう。新入生にとっては、初めての大学であり、高校までとは違う大きな世界に困惑している人も多いと思う。大学の試験は高校の試験と大きく違う。大学の試験は学習指導要領に基づいた授業内容の理解を試すものではない。わかりやすい問題集は計算や証明問題ぐらいにしかないだろう。そもそも大学の試験は暗記した知識を問うものではない。教授の話や学問への理解を問うものである。それに、大学の試験は高校の試験に比べて担当教員の裁量が大きい。試験期間中にやらなくてもよく、どんなに重要な授業でも、試験の代わりに課題がある場合がある。試験期間で考えれば、大学の試験は以下のように分類される。
授業時間内にやるもの(2016/4/14 Updated)
最終日や、最終日から1つ前の時間に最終試験を行う場合がある。場合によっては、任意の時期に中間試験も行う。試験期間中にやるよりも教授の裁量権が大きいと聞いたことがある。授業で聞けたであろう内容が授業時間に試験をすることによって聞けなくなることと、他の最終課題の提出時期に被る可能性があるのが難点だ。(ICUには中間試験の決まった制度がないため、授業期間中の任意の時期に中間試験を行う科目がある。ELAのARW*1とRCA*2の試験は、CWT*3と呼ばれていて、LLA*4の時間に行う。どちらの試験も注意事項は日本語で読まれる。)
試験期間内にやるもの
期末試験期間にやるものは、授業中よりも長く時間をとることができる(ICUの場合は普段の授業なら1コマ70分しかないが、期末試験期間は最大2時間使える。)。だが、途中退出を認めない場合、長期戦になることがある。採点の都合もあるため、計算や論文方式以外で2時間丸々使うものはあまり見ない。試験に向けてゆっくり勉強ができ、1日に何本も試験があるわけではないので体力を使わない。
試験がなく、課題を課すもの
理解を試験で測ること自体に疑問を持つ教員は、試験の代わりに課題を課すことがある。(ICUでは「テイクホームエグザム」といって、試験の名目で持ち帰り課題を出す授業があったが、他大学はどうか知らない。) 試験と違って長期戦になるし、試験にはなかった参考文献の提示の義務が発生する*5。面倒だと思う人にとっては面倒だろう。
試験の形式
あまり試験の形式を教えないという先生は見たことがない。大学によっては、学生の評定平均の目標値があり、それを大きく下回ると担当教員にとってまずい場合があるようだ。さすがにそこまでの「意地悪」はできないのだろう。おそらく一番試験の形式を教えてくれるのは一番最初の週なので*6、遅刻・欠席のないようにしたい。さて、試験の形式には次のようなものがある。
論文を書かせるもの(2016/4/14 Updated)
1つの問題文に対する答えを小論文で書かせる。小論文形式の学生へのメリットは、用語を失念しても、無理やり説明して内容だけあっていればある程度の点がもらえることだ。ただし、十分な知識がないと、紙を埋めることは容易くない。正解はなく、主張の論理的整合性や事実関係などが採点の対象になると思われる。あまり挑戦的な文を書くと失敗すると思うので、あくまで授業で習った内容を参考に論文を書くぐらいの意識でやろう。試験は授業への理解を確かめるものなので、あまり授業の内容から脱線しすぎると、「授業を聞いていないな」と思われてしまうかもしれない。授業中の事例を使う必要があるものもあるので、授業はよく聞こう。
一問一答方式及び短文を書かせるもの
入門などの授業に多い。入門レベルでは覚えるべき用語や年号も多いはずだ。だが、8行程度でミニミニ小論文を書かせるパターンもあるので、よく先生の話を聞こう。用語だけなら一夜漬けができるかもしれないが、論述問題と併用されると一夜漬けだけでは難しい。論述問題に関しては、回答がいろいろあって正解がないものがある。授業中に出された事例から出題する場合もあるので、ノートはしっかりとろう。
選択式
理解を問うために、あえて選択問題を出すケースもある。特に人数の多い授業では、一人ひとり解答を見ていく時間がないため、TAでも簡単に採点できる選択式にする場合がある。用語の暗記の必要がなくて楽だと思うかもしれないが、大学レベルだとそうでもないこともある。欠席したところに関しては、たとえ選択式でも理解が曖昧になることがあり、注意が必要だ。
計算や証明
学部レベルの計算問題もTAの手に負えるので、TAに採点させる場合がある。微妙なラインの解答に関しては教授に聞くのだと思う。数学科などの理数系ならば数IIICを履修した上で大学に来ているので大丈夫だと思うが、経済学の中級以降は地獄だと思うので、注意したい。
自分のラーニングスタイルに合わせて適した試験方式の授業を選ぶことも大切だが、多くの授業は、とることを避けられないと思う。慣れることも重要なので、積極的に当たって砕けよう(留年はしないように)。