まだ避難所生活の不満が募ってくるフェイズじゃないからこそ書く
九州で起きている一連の地震で、家族や友人を亡くした人、怪我を負った人、心に傷を負った人、家を無くした人にお見舞い申し上げる。
多分被災地では、生きているのに精一杯で、不満をぶちまけたり、諍いが起きたりするフェイズにはないと思う。
だが、今だからこそ配慮すべきであろう点について書けると思うので、書く。
(ほぼ想像で書いているので、信憑性はない。)
報道
報道は視聴者と被災者に配慮すべきだ。
たしかに被災地の被害の様子や愛する家族を失った人の悲痛な叫びを放送すれば、視聴者は大いに涙し、視聴率が稼げるかもしれない。
だが、報道陣の立ち入る場所や時間にも限度がある。
被災者が休んでいる夜、あるいは寝付けなかった人がようやく眠りについた朝に避難所の中を取材するのは賢明とは言えないだろう。
それに、足りないもの、足りているものは被災地外の視聴者が最も欲しがっている情報のはずだ。
そうした情報は被災者の中のリーダー格に聞くよりも、幅広い人に直接尋ねた方が的確な情報を得られると思う。
水や物資を受け取ることができる場所はこまめに告知した方がいいと思う。
大事なのは、視聴者に地震の恐ろしさを植え付けることではなく、どのような被害があって、どのように困っていて、どういった支援が必要かという客観的な情報だ。
避難所
ペット
ペットが入所できるよう、自治体の職員や周りの被災者は配慮すべきだ。
ペットはおもちゃやぬいぐるみと違って生きている。
決して花のように見た目の美しさを楽しむものではない。
ペットを飼っている人はペットを大切な家族の一員だと思っている人も多いはずだ。
ペットの避難所への入所を拒否することは、子どもの入所を拒否するようなものだということをわかってほしい。
外国人
被災者の中には、純粋な大和民族ではない人もいる。
たしかに、違う肌の色、違う髪の色、違う目の色をした人が同じ空間にいることが怖いという人もいると思う。
だが、受け入れを拒否したり、受け入れ先で疎んじることまでされてしまうと、それは大和民族の代表であるあなた方が、他民族の人々を排除したこととイコールになってしまう。
もし、主要な言語が話せたり、書けたりする人や日本語が流暢な外国人がいれば、その人に協力を仰ぎ、避難所で必要なメッセージを伝えるべきだ。
宗教/信条
世の中にいる人は無宗教の人だけではない。
世の中には様々な宗教を信仰している人がいる。
宗教に関する教育を十分に受けてこなかった人の中には、宗教上できること/できないこと、民族の信条としてできること/できないことがあるという認識がないかもしれない。
特に、食べられないものがある人に「好き嫌いなく食べろ」というのは、その人の生を否定することにもなりかねないので、そう言う人がいたら、全力で止めてほしい。
障害者
これも仕方ないことだが、一般の人は障害のある人に対する接し方が全く分からない。
筆者は以前、視覚障害のある方がいる教室で授業を受けたことがあるが、「そのスライド、視覚障害者に伝わってないよ(写真の説明をしていない)」とか、「喋りが速すぎて不親切だよ」ということがなかなか言い出せなかった。
配慮がかえってその人を傷つけてしまうのではないかと思ってしまうのだ。
ここは、ノウハウがある人に任せるしかないのかもしれない……(筆者自身答えを出せていない)
ジェンダー
ジェンダーという言葉が「スパゲッティ」に対する「パスタ」になっている気がする。
パスタという言葉は決してスパゲッティだけを指しているわけではないのだが、この言葉を使うとき、他のラザニアやマカロニやペンネが無視されがちだ。
ジェンダーという言葉も同様で、女性をかっこよく言う言い方と化している場面が少なからずある。
震災に関しても同様で、「女性特有の要請や問題の解決が喫緊の課題である」という文脈で「ジェンダー」という言葉が使われる。
しかし、LGBTや男性のことはあまりクローズアップされていない*1。
同性愛者や事実婚(異性愛者を含む)のカップル、肉体と精神の性が一致しないトランスジェンダーの人々には配慮が必要だろう。
それに、男性であれ、女性であれ、伝統的な社会的役割(例:女性が食事や生活の世話をする、男性は力仕事をする)やジェンダーに対する偏見(例:「男」には着替えスペースはいらない、「男」だからたくさん食べる、「オカマ」は気持ち悪いなど)の押し付けをよく思わない人は多数いるだろう。
共同生活である以上、個人が自由にできる部分は少なくなっていると思うが、個人の尊厳は守れる範囲で守らなければならない。
経済活動の自粛ムード
経済というのは血のようなもので、量が減ると体(国)に異常をきたす。
熊本や大分(膝あたりだろうか)に怪我をしたからといって、患部をいたわるためにその他の部分のトレーニングをするのをやめてしまったら、あるいは食べる量を減らし、血や肉を増やすことをやめてしまったら、当然、日本の体力も落ちるし、患部の治りも遅くなる。
しっかり体力をつけないと、怪我は早く治らない。
*1:もちろん女性特有の問題はどうでもよいと言っているわけではない。