育児の負担を和らげる最新技術
母性信仰を助長するアニメ?
母性信仰を助長するようなアニメの宣伝文句が物議を醸している。
「子育て」をテーマに、プリキュアが「子供を守るお母さん」として、赤ちゃんのため、人のため、世界のために戦う本作。突然現れた不思議な赤ちゃんを育てる主人公・野乃はなを中心に、母の持つ温かさ、優しさ、強さ、そして少女たちが抱く大人への憧れなどが描かれる。
女児向けコンテンツということもあり、「女性はこうあるべき」という説教になることが懸念されているようだ。
最近は人工子宮などの研究も進んでおり*1、出産や育児にお母さんの体が必要なくなる時代もそう遠くはない。
それに加え、「お父さんは外で働き、子育てはちょっと手伝うだけ」という「イクメン」の考え方にも批判は集まっている。
そんな中で、お母さんのみにスポットを当て、「母の持つ温かさ、優しさ、強さ、そして少女たちが抱く大人への憧れ」を描くのはいかがなものか。
負担を分け合うのではない 減らそう
ここで、私は「夫婦だけで負担を分け合え」と言いたいのではない。
むしろ、育児の負担をマネジメントする方法を考えたほうが、長期的に考えて、家族のためになると思うのだ。
ネグレクトや暴力などの虐待を起こさないためにも、育児の負担を和らげる策が必要である。
そこで、今回は身の回りの情報技術に注目したい。すぐに使えるアプリから今政府がやっている研究まで、幅広く紹介する。
子育てをサポートする技術
Googleのクラウドで情報を一発共有
Googleには、GoogleカレンダーやGoogleフォトなど、クラウドを使ったサービスがいくつかある。
上記の2つのアプリでは、クラウドを使って、予定のデータやプリント・連絡帳などの写真を共有することが可能だ。
Googleカレンダーは、子どもに関する行事や用事の予定を書いて、共有することができる。
自分が行けない場合は、パートナー(または祖父母など)にお願いすることも可能だ。
Googleフォトは、アルバムを共有している相手に撮った写真をすぐ送る。だから、SNSにアップするという工程を省くことができる。
しかも、共有した画像を一覧できるため、後になっても情報を見失いづらい。
これにより、情報の伝達をスピーディーかつ効率的に行うことが可能だ。
従来は、冷蔵庫に貼るなり、手帳に書くなりしていたと思う。
しかし、専業主婦が一般的ではない、しかもIT(情報技術)の時代に、そのやり方は合わなくなってきている。
スマートスピーカーで家電操作
スマートスピーカーを使うことで、対応する家電を手を使わずに動かすことができる。
例えば、ロボット掃除機を声だけで動かしたり、料理などの時間を測らせることも可能だ。
もちろん、音楽を流すこともお茶の子さいさいで、「子ども向けの曲を流して」などの大ざっぱな指示で大丈夫。
子どもがいる家庭は、何歳になっても手がふさがりがちだ。
そういう家庭には、家電をハンズフリーで操作できるスマートスピーカーをぜひオススメしたい。
参考:
スマホの代わりにApple Watchを使う
子どもを抱えている状態では、カバンやポケットからモノを出すことがしづらい。
しかし、Apple Watchならモノを探す必要がない。
財布(電子マネー)からLINEの確認まで、腕についているApple Watchがなんでもこなしてくれる。
参考:
最近ではApple Watchのアプリをやめたサービスもあるようだが、主要なアプリだけでも十分いけるとのこと。
AIやSNSを活用 渋谷区モデル
渋谷区のLINEアカウントは、出産・育児に関する情報を流してくれる。
予防接種の日程から休日に診てもらえる病院まで、子どもを持つ親が必要とするあらゆる情報が手に入るアカウントだ。
LINEに聞くだけで、AI(人工知能)がすぐに回答を出してくれるので、検索する時間がなくても安心である。
ビッグデータの活用
お父さん・お母さん個人には関係のない話かもしれないが、厚生労働省はビッグデータを育児に活かす研究をしている。
乳児の健康状態を記録するアプリを使い、子どもの健康に関する情報(授乳や排便など)を収集・分析するというものだ。
実はこれまで、子ども(とりわけ乳児)の健康については不明な部分が多かった。
この研究は、これまで根拠なしに言われてきたうわさや一般論を裏づけようというのが狙いである。
参考:
情報技術で育児の負担を減らそう
「子どもをスマホであやすなどもってのほかだ」とする人もいるようだが、スマホがあるおかげで救われる人、救われる命もある。
これまでもテレビやら車やら与えてきたわけで、数ある電子機器の中でスマホだけが子育てに悪影響とは考えられない。
むしろ、スマホ1つで子育てに関するいろいろなことができるのは、喜ばしいことではないのか?
夫婦共働きが普通になった現代には、母性神話や根性論に基づく苦しみの押し付けは必要ない。
父親・母親の負担を減らす効率的な育児・家事が求められている。