気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

【0次の備え】お出かけバッグへの備蓄はとても大切

非常用持ち出し袋とは違い、0次の備えには食べやすいお菓子が求められる。

Photo via PEXELS

 

災害時、帰宅困難者になったときに必要なもの

非常食を日常的に食べながら備蓄するということはたびたび説明してきた。

でも、家に備蓄があれば、いつ災害に見舞われても安心だろうか?

 

災害はいつ起こるかわからない。

外出時にも、災害に備えてモノを持ち歩くべきなのだ。

 

それは例えば、ミネラルウォーター、シリアルバーのようなお菓子、モバイルバッテリーなどである。

 

外出時の備えは、非常用持ち出し袋や家庭での備蓄に先立つ「0次の備え」とも言われている。

避難生活を始めるため、安全に帰宅しよう。

 

yomidr.yomiuri.co.jp

 

 

 

 

お菓子とモバイルバッテリー……そんな装備で大丈夫か?

帰宅困難者の目的は自宅に帰ること。帰宅に使える交通機関をあらかじめ調べておこう。

Photo via pixabay

 

大丈夫だ。問題ない。

 

というのも、外出途中(目的地へ向かう途中)に被災した人は、長期の避難をしない。

発災時、あるいは避難指示が出たとき、最寄りの避難場所(広場や校庭、高台)へ向かう。

その後の状況を見て、帰宅するか、目的地へ向かうか、周辺で避難するかを考える。

 

帰宅困難者は避難所を利用できない

帰宅困難者は通常の避難所(体育館など)を使えない。

だが、「帰宅困難者一時滞在施設」などと言われる施設は利用できる。


これは帰宅困難者が滞在できる施設のことで、発災から72時間程度まで使える*1

一時滞在者の目的は、あくまで家に帰ること。

広域災害で家も被災していた場合は、家の最寄りの避難所へ向かうことだ。

 

代替輸送で帰宅

首都圏・関西圏の場合、交通手段が豊富にある。

仮に鉄道Aの橋が崩落しても、鉄道Bが翌日までに動くかもしれない。

 

早く帰宅するためには、バス・新幹線・空路・航路などのさまざまな帰宅方法を知っておくことが大切だ。

ただし、被災当日に復旧するとは限らないため、空港や新幹線で泊まることも考えなければならない。

 

一方で、職場で被災した人は職場待機が原則である。

交通網が正常化するまで、無理に帰ろうとしてはいけない。

 

外出途中に被災した人は、避難所を使えない。

帰宅困難者一時滞在施設で待機しながら、自宅を目指す。

いつもの交通機関とは違う、代替輸送の手段を知っておくことも大切だ。

 

0次の備えは帰宅のため

0次の備えは非常用持ち出し袋とは違う。

帰宅に必要な分以上の備蓄はいらない。

 

普段使うものもある一方で、災害時にしか使わないものもあるので、持っていなければ準備しよう。

 

水やお菓子

一時滞在施設では、水や食料の提供を受けられる場合もある。

だが、とりあえずは持っている水やお菓子を腹の足しにしよう。


お菓子であれば、いつでも食べられるので、食べながら買い換えることがしやすい。

緊急時にも箸や皿を使わず、手軽に摂取できる。

 

モバイルバッテリー

モバイルバッテリーも、帰宅のために必要な分だけでよい。

携帯用の手回し充電器・ソーラー充電器を持っている必要はない。

 

 

携帯トイレ・オーラルケア用品

被災時にないと困るのが衛生用品だ。

翌日まで電車が動かないことを想定して、携帯トイレやオーラルケア用品を1つは持っておこう。

デンタルリンスもよいが、口腔ケア用のウェットティッシュのほうが使いやすいだろう。

 

非常用ブランケット

冬場に被災した場合、体温を保つための毛布がほしい。

しかしながら、本物の毛布を持ち歩くわけにはいかない。

 

アルミなどで作られた「エマージェンシーブランケット」と呼ばれるものは保温性に優れていて、軽い。

電車や空港などで本物の毛布が配られることもあるようだが、それ以外の場合は非常用ブランケットを使おう。

 

軍手

直接的に被害があった場所を歩くことを想定しよう。

他の被災者の救助、ガレキや障害物の除去、あるいは帰宅時の危険を避けるために、軍手があったほうがよい。

 

断水時は患部を清潔に保ちづらいため、ケガをしないよう細心の注意が求められる。

一方で、自宅の復旧作業に求められるのはもっと丈夫な手袋なので、区別したい。

 

ホイッスル

ホイッスルは被災時に助けを呼ぶために必要だ。

Photo via pixabay

 

防災の備えにホイッスルというのは意外かもしれない。

 

例えば、出口がふさがれているとき、叫んでも助けがこないこともある。

あるいは声の大きさに自信がない人もいるはずだ。

そういうとき、ホイッスルが役に立つ。


実際に、阪神・淡路大震災でも、助けがこないケースがあったそうだ*2

叫ぶだけで助けてにきてくれるようなヒーローはいないと思ったほうがよい。

 

 

0次の備えは非常用持ち出し袋と違い、帰宅のための最低限の備蓄。

0次の備えにはいつも使うものと、災害時のみに役立つものがある。

 

スマホの機能も大事だが

「今はスマホになんでも入るから、そんなにモノを持たなくてよいのではないか」という声もあるかもしれない。

だが、スマホが使えなくなったときのことも考えなければならない*3


例えば、Googleマップを見ながら移動していたが、途中で充電が切れてしまったという経験はないだろうか?

 

災害時にスマホが故障したら大変だ。

自治体の帰宅支援マップは紙でも持っておくべきではないか?

 

スマホの代わりになるもの(一例):

  • 懐中電灯
  • 帰宅支援マップ
  • 携帯用ラジオ
  • 10円玉(公衆電話を使うために必要)
  • 連絡先のメモ(義実家や親しい友人を含む)

 

スマホが使えなくなったときを想定し、代わりのものも持っておくべきだ。

 

自分が必要なものを携帯しよう

今回は主なものを挙げたが、個人によって必要なものは変わってくる。

また、自家用車を持っている人は、車にも備蓄をしたほうがよい。


0次の備えのリストについては、『東京防災』や各種ウェブサイトを参考にされたい。

 

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*1:参考:

首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 : 防災情報のページ - 内閣府

*2:神戸新聞NEXT|防災|大震災教訓、腕に着ける笛開発 明石の会社員ら

*3:逆に、メガネが壊れてしまった場合に、スマホのカメラを拡大鏡にできる。だが、メガネ・コンタクト使用者は予備のメガネを持ち歩くべきだ。