セルフサービス・脱プラスチック 各社の傾向を比較
ステイホームが長引き、外出して作業することが減っている。
代わりに、散歩がてら、コンビニコーヒーを買いに行くのが多くなった。
そこで、コンビニ大手3社のコーヒーを比較したい。
利便性・機能性の観点からの比較で、味に関しては言及しない。
以下は、すべてイートイン未実施の店舗の場合である。
- セルフサービス・脱プラスチック 各社の傾向を比較
注文からドリップまで
まずは基本的な買い方のお話から。
氷の入ったカップにコーヒーをドリップすると、アイスコーヒーになるという形式(セルフサービス)のものが多い。
大手カフェチェーンもそうだが、サイズの表記が店ごとに異なる。
- カップは冷凍食品やアイスの陳列されたケースか、アイスコーヒー専用のケースの中にある。
- それをレジへ持っていき、会計を済ませる。
- ビニールのふたを剥がし、店内のゴミ箱に入れる。
- 自分で機械を操作し、コーヒーを淹れる。
セブンイレブン:8つのボタンから選択
ケースから取り出し、自分で淹れる方式。
アイスコーヒー・アイスカフェラテで容器が異なる。
「コーヒーください」などと言う必要はない。
サイズはR(レギュラー、普通)とL(ラージ、大きい)。
慣れない表現かもしれないが、覚えておこう。
さて、コーヒーを淹れる機械には、
- アイス/ホット
- コーヒー/カフェラテ
- R/L
2×2×2で、合計8つのボタンがある。
それとは別にキリマンジャロブレンド(別商品)の機械がある。
淹れ終わると、画面にコーヒーが出来上がったことを知らせるメッセージが出る。
ファミリーマート:コーヒー・ラテをレジで宣言
ケースから取り出し、自分で淹れる方式。
サイズはSとMとBIG。(アイスカフェラテSは存在しない。)
アイスコーヒー・アイスカフェラテの容器は共通で、値段だけが違う。
どちらを希望するか、レジで宣言しなければならない。
コーヒーを淹れる機械は、ほかのドリンクのものも兼ねている。
膨大な数のボタンの中から、アイスコーヒーを選択する。
淹れ終わるとランプが点灯し、アラームが鳴って知らせてくれる。
ローソン:レジで注文 店員がやる
レジで注文し、店員が淹れる方式*1。
ストローの挿入まで店員が行う。
客は何もしなくてよい。
ただし、店員が直接淹れるので、豆やミルクの残量によっては時間がかかる。
ほかの2社と比べて注文するハードルが高く、評価が分かれるだろう。
サイズはSとMとLとメガ。
店頭で注文:ローソン
セルフサービス:セブンイレブン、ファミリーマート
ふた・ストロー・砂糖など
店員の負担を減らすため、2社は完全にセルフサービスとなっている。
機械の横にふたや、砂糖・ミルクなどが置かれている。
自分で締める際は、すき間から飲み物がこぼれないようにしたい。
ふたやストローなどの脱プラスチックの取り組みも進んでいる。
最初は、通常のものとの違いに戸惑うかもしれない。
セブンイレブン:直接飲むふたに移行 ストローは廃止
すべてふたから直接飲むタイプに変わった。
お店でホットコーヒーをテイクアウトするときの容器にふたがついているが、あれをプラスチック製にしたものである。
直接飲むタイプは、飲む際に持ち上げる必要があり、氷がじゃらじゃら鳴ってしまう。
運転中や職場などではおすすめできない。
砂糖やミルクを入れる場合、アイスカフェラテを購入する場合はマドラーが必須。
プラスチック製のマドラーがビニール袋入りで配布されている。
店員に言えば、植物由来のストローがもらえる。
ふたは直接飲むタイプのままなので、穴に刺して飲もう。
ファミリーマート:プラ製ストローも可
直接飲むタイプのふたと、ストローを刺せるふたの両方が配布されている。
配布のストローはプラスチック製のようだ。
それ以外はセブンイレブンとほぼ同じ。
ローソン:店員がすべてやる店も
プラスチック製のふたにプラスチック製のストローが刺さっている。
砂糖やガムシロップは店員が入れる店と、客が入れる店があるようだ。
ローソンを除き、ふたや砂糖は隣の棚から。
セブンイレブンはストロー廃止。
割引・クーポンなど
各社は、アプリなどでコーヒーの割引・一定条件下での無料配布を行っている。
独自のアプリのほか、キャッシュレス決済アプリなどでもクーポンを配布している。
お得に使いたい。
セブンイレブン:アプリ提示でクーポン獲得も
セブンイレブンは、セブンイレブンアプリを提示した買い物で割引クーポンの配布を行った(2020年8月末まで)。
「セブンカフェ」コーヒーを10杯買うと、対象の「セブンカフェ」コーヒーが100円引きになるクーポンがもらえた。
ブラックコーヒーは無料になった。
ファミリーマート:回数券で1杯分無料も
ファミペイアプリでは、同じ種類のファミマカフェ商品を11杯飲める回数券を10杯分の価格で販売している。
これはほかのファミペイユーザーにあげる・もらうことも可能だ。
LINEギフトでもコーヒーを定価でプレゼントできるが、ファミペイのほうがお得。
ローソン:カフェラテ無料キャンペーンも
ローソンアプリも、無料クーポンがもらえるキャンペーンを不定期に行っている。
マチカフェのドリンクを5杯買うと、アイスカフェラテMの無料クーポンがもらえるというものだ。
方法はキャンペーンにエントリーし、アプリに紐付けたPontaカードかdポイントカードを提示して買うだけ。
いつも開催しているわけではないので、ローソンアプリをチェックしよう。
コーヒーを規定の個数買うと、無料で飲み物がもらえるキャンペーンがある。
コンビニ各社のアプリをチェック。
全体に共通している課題
脱プラなのにプラスチックゴミ
脱プラスチックが有名無実化している。
プラスチック製の部品が多いコンビニコーヒー。
大手各社は脱プラスチックや、環境保護に取り組んでいることをアピールしている。
そうした中で、むしろ無駄なプラスチックゴミを出している店もある。
たしかに、今の時勢ではタンブラーや使いまわし可能なものの使用は難しい。
でも、それ以外に頑張れることはないだろうか?
接触の不安
コンビニは、客用の消毒液がない場合が多い。
巷には、直接触れずにボタンを操作できるというグッズもある。
だが、店員や客との間接的な接触は避けられない*2。
その点は改善されるべきだと考える。
何らかのコミュニケーションが発生しがち
店員との無駄なコミュニケーションが多い。
「アイスカフェラテでお願いします」
「砂糖いりません」
「ストローください」
客にオプションを尋ねる段階は、はたして必要なのか?
これからしばらく続くソーシャルディスタンスの時代。
それに合わせ、商品やシステムを変えていく必要がある*3。
脱プラスチックと言いつつも、むしろプラスチックを使ったものが多くなっている現状がある。
コーヒーを買う過程で、店員やほかの客との接触が発生してしまう。
購入プロセスの中に店員との会話が多すぎる。
セブンイレブン新方式? 氷を自分で入れるタイプも
ところで、セブンイレブンの一部の店舗で行われている新形式が話題になっている。
ビニール袋に入った氷を購入し、自分でカップに入れるというものだ。
コンビニコーヒー利用者として思うのは、現状のビニールを剥がすだけの方式は大変便利だということ。
短時間で終わり、店員との接触も最低限で済む。
現在はテスト段階とのことだが、ユーザーの利便性を損ねてまでやることなのか?
利便性(Convenience)をその名に冠する店として、考えてほしい。
ローソンでもセルフ式が導入
2021年初春、ローソンの一部店舗でセルフサービスが導入されている。
手間はかかるが、利便性が高まった側面もある。
- 店員のいるレジで、コーヒー・カフェラテを注文する(ホット・アイス共通)。
- カップを渡され、そのまま会計をする。
- 機械の注ぎ口の下にカップをセットし、カバーを閉める。
- 注文したものをタッチパネルで選ぶ。ホットかアイスを選択すると、個別のメニューが表示される。
他と違うのは紙製カバー以外に、カップを固定する台(紙製)が配られている点。
テイクアウト需要に配慮したものと思われる。
セルフ式は、店員との接触が減って安心できる。
それに、注文の敷居がやや下がる。
カップをもらうだけなので、レジが忙しい場合でも注文しやすい。