停電時 役に立たないスマホアプリ
北海道胆振東部地震で、スマホの充電ができる場所に人が殺到した。
この地震では、北海道最大の苫東厚真火力発電所が停止し、道内全域で停電が発生していた。
9月7日現在、道内の電力需要を賄えない状況になっている*1。
停電で回線に影響が出た上、各店舗でも電子マネーやスマホ決済などが使えない。
停電時にスマホは役に立たない。
なら、伝書バトでも使うか?
そこまで極端な備えはいらないが、スマホ以外の備蓄もあったほうがよい。
便利になったスマホ できることは?
スマホにはさまざまな機能がある。
災害の被害に遭った際、役立つものもある。
- 通話・メール・SNSなどの連絡手段。
- SNSやブラウザ(インターネット閲覧ソフト)など情報収集の手段。
- 地図や目的地までの経路を調べるための手段。
- 写真や動画を撮るカメラ機能。
- カメラ機能を使った拡大鏡。
- 翻訳機能。
- LEDライトなど。
特に、停電でテレビが使えないことから、情報収集手段として重宝されているようだ。
テレビに比べて、近所の情報を得やすいという点でも注目されている。
使えなくなるアプリも
停電時に携帯の回線がつながるのはなぜか?
電波のやりとりをする基地局に非常用電源が備えられているからだ。
これは24時間程度しかもたず、7日の時点で使えなくなっているものと推測される*2。
電波が使えないと、多くのアプリが影響を受ける。
Siriのような音声アシスタントや電子マネーのバーコード決済はオンラインで処理をしている。
スマホ自体に機能が備わっているわけではなくて、サーバーと情報をやりとりする必要がある。
翻訳アプリはオフラインでも使えるものがあるが、事前にデータをダウンロードしなければならない。
地図アプリも、大まかな地図は表示できるが、検索ができなくなる。
スマホが便利なのは、インターネットがあってこそのことなのだ。
北海道胆振東方地震では、北海道全域が停電したため、スマホがテレビの代わりになった。
スマホは便利な反面、ネット回線がないと使えない機能も多い。
スマホに全部やらせるのは無理
とはいえ、LEDライトや拡大鏡(カメラ)機能はオフラインでも使える。
しかし、なんでもスマホに頼ることはできない。
充電が切れたら終わりだ。
非常時は、スマホの機能を外部化させよう。
スマホのLEDではなく懐中電灯を、カメラアプリではなくルーペを使おう。
ラジオアプリではなく、電波を受信するポータブルラジオを使おう。
基地局が生きている場合でも、レジの機械が使えない可能性がある。
スマホや電子マネーではなく、現金を持っておこう。
普段はスマホで構わない
これはあくまで、非常時のことだ。
いつもはスマホの利便性を享受しても構わない。
ただ、スマホの充電が切れたときのために、代わりの手段を用意してほしい。
普段から、出かける際は現金などを持っておくことが大切だ。
非常用持ち出し袋に入っていても、お出かけ先だったら意味がない。
これは「人類はスマホを利用すべきか否か」の話ではないということだけ、わかってほしい。
緊急時のために、スマホの機能の代わりとなるものを用意すべきだ。
スマホが悪いとは言っていない。普段はスマホを使ってよい。
電気が使えないことが想像できなかった
これほどスマホの充電のことで騒がれる災害は、初めてかもしれない。
たしかにスマホは便利だが、停電のときはそれほど役に立たない。
被災地の外にいる人はぜひ、自分が日常的に使っているスマホアプリに想いを馳せてほしい。
スマホが使えない状況で、それが使えるのか?
使えなかったら、代わりのものは家にあるのか?
それこそが、あなたが非常用持ち出し袋に入れておくべきものだろう。
*2:復旧への取り組み | 災害対策・復興支援 | CSR 企業の社会的責任 | 企業情報 | ソフトバンク
ソフトバンクの場合、重要拠点のみ24時間以上使えるようだ。