匿名でトークルームに参加 日常生活と両立可の新サービス
メッセージアプリのLINEに新機能「オープンチャット」が導入された。
この機能では特定の話題について、匿名で話せる。
まずは、基本的な仕組みと使い方を説明する。
LINEオープンチャットの使い方
トークルームに参加するまでの流れをざっと説明する。
- LINEアプリを起動する。
- 「トーク」タブの右上のアイコン(トークルームを作成)をタップ。
- 「オープンチャット」をタップ。
- 規約に同意する。
- 「オープンチャットを検索」から気になる話題を検索する。
- 入りたいトークルームをタップ。
- 参加をタップすると、ニックネームとプロフィール画像の設定画面に移る。トークルームで使いたい名前とアイコンを設定する。
- 右上の参加をタップすると、トークルームに参加できる。トークルームは通常のトーク一覧に表示される。
匿名性は? 個人情報を特定されるの?
オープンチャットでは、半匿名で会話に参加できる。
半匿名というのは、ハンドルネーム(あだ名)を設定しているが、本人が特定されない状態のことだ。
例えば、あなたの本名が「佐藤太郎」であっても、「ビルド」と名乗れば、ビルドさんとしか表示されない。
しかし、ビルドさんの発言ということは、みんなからわかる。
通常のトークルームでは、アイコンをタップすると、個人のトークルームに飛ぶ。
一方、オープンチャットでは、アイコンをタップしてもブロックや通報のボタンしか表示されない。
適切なニックネームを設定していれば、あなたが特定されることはない。
複垢(複数アカウント掛け持ち)はできるの?
LINEオープンチャットでは、複垢が可能だ。
トークルームごとにニックネームが設定できる。
そのため、トークルームaではアニメオタクのAさん、トークルームbでは鉄道オタクのBさんとして活動できる。
Aさん=Bさんだと分からないので、安心してオタ活に励んでほしい。
マナーが気になる ブロック・追放は?
トークルームの管理者には、メンバーを強制退会させる権限、メッセージを削除する権限がある。
「ノート」にトークルームのルールを書き込んでいる人もいる。
その他の人もブロック・通報は可能なので、活用してほしい。
そうした機能があるとはいえ、ルールをガチガチに決めたり、他人に注意しすぎたりするのはよくない。
古のインターネットでは、そういう人たちは「自治厨」と呼ばれ、忌み嫌われていた。
以上、インターネット老人会からの注意喚起。
通知が大変そう 切り方は?
トークルームは最大5000人までが参加できる。
そのため、通知をオンにしていると大変なことになる。
ルームに参加したときの「はじめまして」のあいさつなどでも、かなりの量の通知が来る。
通知はトークルーム右上のボタンから切れるので、切っておくのをおすすめする。
(2019/8/20現在、トークルームから退会したのに通知がきてしまうバグがあるようだ。)
使い方まとめ:
トークルームごとにハンドルネームを設定でき、本名は特定されない。
問題のあるユーザーをブロックしたり、トークから追放したりする機能がある。
通知は、トークルーム右上のメニューから切っておくのをおすすめする。
LINEオープンチャットの何が画期的なのか?
さて、何が騒がれているかについて、自分なりにまとめたい。
LINEアプリの所有率の高さ:参加ハードルが低い
日本で一番有名なメッセージアプリからこのような機能が出たことに拍手を送りたい。
この手のアプリが新作されると、ほとんどが定着しない。
しかし、毎日使っているLINEであれば、導入のための心理的コストは低い。
LINEアプリの外観や使い方に慣れている人も多く、使うためのハードルも低い。
みんながアプリを持っているため、トークルームはTwitterなどを通じて広く拡散されることだろう。
仲間内でつながるはずだったアプリを、日本全体がつながるアプリに変えてしまったLINEには脱帽するしかない。
オタク活動と日常生活が両立できる
LINEアプリはオタ活に使われてこなかったのか?
使われてきたとは思うが、メジャーではなかった。
家族やリアルの友人とは本名でやりとりするため、ハンドルネームのネット友達とのやりとりには適さなかった。
オタ活に使っていたのは、2台持ちや、日常生活に使わないごく少数の人たちであろう。
今回の機能では、日常生活では本名、オタ活ではハンドルネームという使い分けが可能だ。
ネットユーザーの需要を的確に捉えてサービスに反映した点は、評価できる。
休眠アニメスタンプの活用 オタク間で気兼ねなく
オープンチャットのおかげで、アニメのスタンプが使いやすくなった。
これまで、お布施のつもりでスタンプを買ったが、使う機会がなかったという人も多いのではないか?
音が出るLINEスタンプを試すために、bot相手にメッセージを送る人もいたようだ。
日常生活のアカウントで深夜アニメのスタンプなんかを使った日には、一族から追放され、友達から絶交されることだろう。
でも、オープンチャットなら、オタクしかいないので安心して使える。
あなたのお布施は無駄じゃなかった。
誰でも持っているアプリなので、はじめやすい。
日常生活でのコミュニケーションを担ってきたLINEが、オタク活動にも裾野を広げた。
使い所に困っていたアニメスタンプが使いやすくなった。
古のインターネットの復活 チャットへのノスタルジー
話は変わるが、LINEオープンチャットは古のインターネットの再現である。
おそらく、LINEオープンチャットに一番興奮しているのは、20代後半以降の人たちだと思う。
半匿名のチャットは、昔のインターネットの文化だった。
昔の個人サイトには、チャットが設置されていた。
それから、「もなちゃと」「Project街」「アメーバピグ」「ポケモンガーデン」のようなアバター型のチャットも流行っていた。
チャットに癒しを求めていた小中学生もたくさんいたはずだ。
8月という一番楽しかった時期にスタートしたのも相まって、オープンチャットでノスタルジーを発症している人も多いのではないか?