気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

【炎上】タイツメーカーが不適切なイラストを掲載 Twitterの使い方とは

ターゲットの軽視とブランドイメージの毀損

タイツメーカーが不適切な画像の掲載で炎上している。

 

11月2日のタイツの日に合わせて、Twitter上でキャンペーンを実施した。

専用のハッシュタグをつけ、絵師らがPRのイラストを投稿した*1

その中に、女性の性的消費を煽るようなイラストが含まれていた。

(現在は削除)

 

メーカーのTwitterアカウントからは他の不適切な投稿も発見され、炎上している。

3日夜、謝罪コメントを掲載し、キャンペーンに関わる一切の投稿を削除した。

擁護の声が聞こえる一方で、的はずれな謝罪との批判も絶えない。

 

 

 

 

おもちゃ会社:個人情報を暴露で炎上

同様の事例は、おもちゃ会社のTwitterアカウントでも起こっている。

 

「キャラクターの個人情報を暴露する」という投稿で炎上した。

小学生の少女という設定のキャラだった。

既存のハッシュタグに乗っかり、キャラと話せる電話のサービスを宣伝するつもりだったらしい。

 

ネットにおける児童への犯罪は、近年大きな問題になっている。

配慮に欠けた投稿に対し、ネット住民の怒りが爆発した。

過去の不適切な投稿も掘り起こされた。

 

企業アカウントの炎上が相次ぐ中、Twitter広報のあり方を見つめ直したい。

 

Twitterは何のため?

宣伝・広報からの脱線

彼らにとって、Twitterは宣伝や広報のためのツールだったはず。

女性にタイツを、子どもの親におもちゃを紹介し、購入に至らせるための。

それがいつのまにか、担当者の欲望を吐き出す場所に変わっていた。

 

時節に合わせた内容や、担当者の個人的な書き込みもすべきだとする専門書もある。

しかし、今回のような良識に欠けた書き込みが炎上を招いている。


おもちゃ会社でいえば、担当者がおもちゃで遊んでみた動画も投稿されていた。

それが本来Twitterアカウントに求められている内容だと考える。

目的に沿う形にすべきだ。

 

ターゲット層を軽視した内容

投稿が一般常識として不適切との声も多い。

一方で、ターゲット層への軽視を指摘する声もある。

購買層の好感を得ることが目的なのに、逆に嫌悪感を抱かせているのだ。

 

そもそも、Twitterはアンダーグラウンドなメディアである。

InstagramやFacebookと違い、内向的な内輪の盛り上がりが多い。


NHKのように、その特性をポジティブに活用する団体もある。

紅白歌合戦の司会に、大泉洋さんが選ばれたことが話題になっていた。

NHKはこれに乗っかり、「水曜どうでしょう」(大泉さん出演)に関連するネタをつぶやいてみせた。

 

しかし、トレンドに悪乗りした企業は今回のようなトラブルを起こしてしまう。

ターゲット層への宣伝・広報ではなく、悪い意味でアングラな内容をつぶやく。

「面白さ」を追求した結果、むしろターゲット層を不快にし、恐怖を与えている。

 

なんのためのTwitterアカウントなのか?

 

広報担当者がやるべきこと

適切なメディアで適切な戦略を

今回のようなキャンペーンをTwitterでやる場合、タイツメーカーはどうすればよいか?

 

目線は購買層の女性に向けるべきだった。

女性用品のPRで、女性に人気の男性キャラクターを起用するケースもある。

逆に、女性のイラストを使う場合は、女性の共感を得られるような内容のマンガも多いようだ。

 

方法や具体的なターゲットはさまざまだが、女性に買ってもらうという最終目標は変わらない。

決してタイツが好きなおじさんを満足させるだけの内容であってはならない。

 

ちなみに、一般的にYouTubeではタイツのレビュー動画が上がっている。

Instagramでは、カラータイツを着用したコーディネートをアップしているモデルがいる。

 

ノリではなく戦略を

おもちゃ会社の事案では、チェック体制の不備も指摘されている。

ダブルチェックを徹底していれば、不適切なツイートが投稿されることはなかったはずだ。

 

もちろん、臨機応変な対応も重要である。

携帯電話会社などはTwitterを巡回し、困っていそうな人に積極的にリプライ(返信)している。

でも、それと悪ノリとは話が別だ。

 

あらかじめ決められた商品の宣伝は、上の承認を得ること。

突発的にツイートする際は、社内で決められた戦略や方針に従うことが大切である。

 

ブランドイメージを守る

Twitterをはじめとする広報や広告は、ブランドのイメージを形作る。

ブランドイメージによって客がついてきたり、離れたりする。

担当者はそれに気を配りながら、発言していく必要がある。

 

おもちゃ会社は子どもの夢を作るため、さまざまなおもちゃを宣伝してきた。

おうちで手軽に流しそうめんを楽しめるおもちゃについては、この夏も積極的にツイートしていた。

そんな夢も、子どもへの犯罪を想起させるツイート1つで壊されてしまう。

 

ブランドの価値を傷つけるツイートは客を遠ざける。

たとえ表現の自由があっても、ブランドイメージを毀損する投稿はすべきでない。

*1:こうしたアパレル系の記念日には絵師らが個人的なイラストを投稿することも多い。メーカーはそれに乗っかった形だ。