気持ちのサンドバッグ

気になったことを調べて、まとめたり意見を書いたりします。あくまで個人によるエッセイなので、事実関係の確認はご自身でお願いします。

悪質なデマ 英語サイトの誤訳によるものも 

外国の選挙 間違った情報が拡散した理由

外国の選挙について、悪質なデマや間違った情報の拡散が相次いだ。

根も葉もない邪推もあったが、その大元は英語で書かれた記事の誤訳である可能性が高い。

 

日本人はなぜ誤訳してしまうのか?

私たちは英語の記事に対し、どのように向き合えばよいのか?

この記事にまとめる。

 

 

 

 

なにが誤訳につながるのか?

部分的な語句・情報の切り取り

英文を読めない人が、一部の語句を切り取って騒いでいる可能性がある。

 

例えば、ある地域では集計作業の補助に、軍の兵士が投入された。

それがなぜか、不正選挙に対して軍が出動したというデマにすり替わっていた。

兵士という言葉が独り歩きしたのだろう。

 

それから、グラフを見て、票が不正に投入されたと主張する勢力もあった。

だが、このときは不在者投票や郵便投票などが広く活用されていた。

その集計もあり、急な数字の変化があったようだ。

 

情報の部分的な切り取りは危険である。

英語のニュースから意見をシェアしたいなら、英語を勉強するか、諦めよう。

 

背景情報の欠落

翻訳というのは、実に難しい。

単語の意味だけでなく、背景となる情報も知っておく必要がある。

外国のことを知らない人が訳すと、間違った内容になるケースもある。

 

これは古文と同じだ。

古語の辞典を持っていても、当時の貴族の暮らしを知らなければ、うまく訳せない。

訳す際に、明文化されていない当たり前のことを考慮しなければならない。

 

偏った考えや思い込み

逆に、偏った考えや間違った思い込みによって、文章がおかしな方向に解釈される場合もある。

 

外国の体制に批判的な人が、不正や犯罪を前提にして文章を読む。

すると、中立的な内容であっても、外国を褒めている記事であっても外国への批判につながる。

その逆もまた然りだ。

 

誰にでも偏見はある。

どんなに穏やかな性格な人でも、自分の考えに偏りがないか、立ち止まって考えるべきである。

 

機械翻訳はまだ難しい

英語から日本語への翻訳は最新の翻訳ソフトでも難しい。

 

実際に試したところ、本来と真逆の意味になっている文もあった。

カンマでつながった句・節の並列関係が難しかったようだ。

 

翻訳ソフトの技術の向上はたびたび話題になる。

しかし、高度な文脈においては、ソフトを信用してはいけない。

 

日本語でも、1つの言葉で2つ以上の意味を持つ単語が存在する。

どちらの意味でとるかは文脈次第だが、翻訳ソフトにはその判断が難しい。

翻訳ソフトで高度な文章を読むことはおすすめしない。

 

記事自体の間違い・不適切なソースの選択

情報のソースが不適切な場合もある。

個人のツイート、フェイクニュースサイト、低俗なニュースサイトなどの情報を拡散している人がいる。

 

これらは、日本でいうまとめサイトとか、スポーツ紙・三流週刊誌に近い。

現地の事情がわからないため、日本語よりデマを拡散しやすいようだ。

 

日本語版サイトも

外国の大手メディアには、日本語版サイトをもっているものもある。

英語と比べ、掲載に時間はかかる。

だが、わからない英語を読むよりは、日本語に訳された記事を読むほうがよい。

 

一部には、日本語にする際に情報が抜け落ちているとか、誤訳しているという指摘もある。

記事に対するほかのユーザーの反応も見逃さないようにしたい。

 

ファクトチェックの活用を

拡散されているデマ記事については、必ずファクトチェックがある。

中立の立場で、思想に基づかず、事実か否かだけを検証するものだ。

 

ただ、ファクトチェックの対象に含めるデマの選定が偏っているという問題もある。

ファクトチェックを行う機関には、報道機関とファクトチェック専門の機関がある。

さまざまな機関のファクトチェックを見ることをおすすめする。